「循環式養殖」の特徴と水質管理について

「循環式養殖」とは?

魚介類の養殖システムは「海面養殖」「陸上養殖」があり、陸上養殖の中でも「掛け流し式」「循環式」といった様々な方法があります。
養殖の「方法」と「種類」について

今、新規ビジネスとして「循環式」の養殖は環境にやさしいということもあり注目を集めています。新規参入企業は大企業から中小企業まで様々で、各社しのぎを削って技術革新に取り組んでいます。
どのような企業が「陸上養殖」に取り組んでいるのか? 今回はこの「循環式の養殖システム」について解説していきます。

「循環式養殖」の特徴は?

循環式の養殖は最初に給水した水を濾過して循環し、繰り返し使うシステムです。そのため、非常に少ない水で水産物を育成することができます。また、外から飼育水を入れないため、外部からの病気の侵入や環境変化に影響されることが少なく「安定した生産」ができるのが最大のメリットです。循環式の中でも完全に給水を断って、育成する養殖は「閉鎖循環式養殖」とも言います。閉鎖循環式は大規模にやれば養殖ですが、観賞魚を飼育するアクアリウムも同じ閉鎖循環式の育成です。

循環式のシステムでは排泄物や残餌由来のアンモニアの除去(硝化)、酸素供給、水温調整などを自然に任せるのではなく、人工的に管理する必要があります。これらを管理のために、様々な装置を利用して運用するのが循環式システムです。しかし、これらの装置を使用するため育成コストが高くなってしまうのが循環式養殖のデメリットです。。
(水質を維持するための装置は「イニシャルコスト」が高く、電気代等の「ランニングコスト」も発生します。)

「循環式養殖」での水質管理について

養殖では水質の管理がとても重要です。水生生物の健康状態と水質はイコールです。
そのため、養殖では水の管理は徹底して行います。

特に循環式の養殖は育成水が循環しているため一度水質が悪化すれば、あっという間に飼育している生き物は全滅します。しかし、きちんと水質管理ができれば育成が安定するのも循環式なのです。

育成中に特に注意しなければならない項目は下記の項目です。

項目 単位 詳細記事リンク
水温 溶存酸素について
溶存酸素量(DO) mg/L(ppm)
塩分濃度 g/L(pptもしくはpsu) 塩分濃度について
アンモニア態窒素 mg/L(ppm) 濾過について
亜硝酸態窒素 mg/L(ppm)
硝酸態窒素 mg/L(ppm)
pH pHについて
アルカリ度 mg/L(ppm) アルカリ度

※各項目の数値の許容値は飼育する生き物によって異なります。

生体の投入量の設定はどうしたらいいの?

循環式の水槽で水生生物を飼育する際には「水槽の容量」に対して「どの程度の生体を投入して育成するか」を決めなければなりません。投入する生体の量は飼育する目的によって大きく変わります。

例えば
「循環式の養殖」では少ない水量で最大限の生産量を上げることが目的です。
「アクアリウム」では魚を元気な状態に保つことが目的です。

この目的に合わせて生き物を投入する量を決めていきます。
判断のポイントとなるのは育成が最大密度になったときに上記の水質項目をどの程度保つことができるかです。
「養殖」であれば生産量を高めるために、水質の基準値ギリギリに生態数を設定します。
「アクアリウム」であれば管理値に余裕を持たせた設定になります。

まとめ

「閉鎖循環式養殖」も「アクアリウム」も原理は同じです。どちらも一番重要なのは水質管理です。

水質管理をマスターするためには生き物、水質、育成機械をトータルして理解する必要があります。
このブログでは養殖や農業にチャレンジする方のために役に立つ情報をどんどん発信していきます!

~参考書籍~

 

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