本記事では、簿記3級の資格取得を目指す方々への最短合格のための実践的なアプローチに焦点を当てて解説しています。限られた勉強時間を最大限に活用するためのコツやオススメの参考書についてご紹介します。
目次
「簿記3級」とは?なんの役に立つのか?
どのような資格なのか?
簿記3級は簿記検定で「初級レベルの資格」です。
会社やお店は毎日モノを売る、買う、お金を貸す、お金を借りるといった活動をしています。こうした活動を「取引」と言います。この毎日の取引を記録する手段が「簿記」です。
簿記3級は基本的な商業簿記の知識を評価するための資格で「経理関連書類の処理」や「財務諸表の作成」など、小規模企業の経理事務の業務をこなせる程度の知識が要求されます。
〜補足〜
簿記は「民間資格」です。(「国家資格」ではありません。)
日本商工会議所が主催する検定試験です。
簿記3級に受験資格はないため「誰でも受験することが可能」です!
なんの役に立つのか?
簿記を勉強すると下記のよう「メリット」があります。
①スキル向上
簿記3級を取得することで、経理の基礎的な知識を身につけることができます。
会社の通信簿と言われる「損益計算書」や「貸借対照表」を理解できるようになることで、会社の財務状況を把握できます。
②「就職」や「転職」での強みになる。
簿記の知識は企業の「就職」や「転職」の際に役に立ちます。
企業は経理部門だけでなく、基礎知識としても簿記スキルを求めているためです。
③独立・起業の基盤知識になる。
自分で事業を始める際に、経理を理解することは非常に重要です。
ビジネスにおいてお金は血液であり、お金の経理知識がなければすぐに倒産します。
簿記3級はの起業家のための基礎知識にもなります。
「難易度」はどの程度か?
「合格率」は?
平均の合格率は約40〜50%です。
そのため、難易度は比較的低い資格といえます。
独学での合格は可能なのか?
「独学での合格は可能」です!
むしろ、独学の方が効率がいいと思います。
(ユーキャンなどの通信講座もなくて、自分でテキスト購入すれば合格できます。)
合格までの「勉強時間」はどのくらい必要か?
基礎知識の有り無しによって変動しますが、
独学で「100〜150時間」程度の勉強時間が必要です。
試験の準備期間としては「1日2時間勉強を2ヶ月」のイメージです。
最短合格するための「勉強方法」について
試験内容を把握する。
まずは試験内容を把握することが重要です。
簿記のテストは「マークシート方式」ではなく「記述式」です。
ですが、文章で論述するとかはなく数値と記号での解答ですので安心してください。
試験時間は「60分間」です。
(制限時間が短いため、時間内に終わらせる練習が必要。)
また、合格点は「100満点中70点以上」です。
(点数調整などの救済措置はありません。)
オススメの「参考書」を用意する。
下記の参考書を1冊用意してください!
注意:試験毎に最新版が出版されていますので、ご自身が受験する受験回(試験日)のモノを間違いなく購入してください。
↑書籍:TAC予想模試+解き方テキスト
こちらの参考書のみで初学者でも合格できます。
(わからない部分があれば、その部分はネットで調べれば十分です。)
おすすめのポイントは下記の通りです。
- 「テキスト」「問題集」「予想問題」の3点セットになっている。
初学者でもわかりやすく最初に基本説明があり、すぐに練習問題になります。
実践形式の予想問題も4回分入っているため過去問を購入する必要もありません。 - 合格までのスケジュールが用意されている。
付属で合格カレンダーが入っています。テキストだけでなく、資格試験で一番重要なスケジュール管理まで教えてくれます! - スマホで使える仕分けアプリが使える。
スマホで仕分けを練習できるWEBアプリを本書に添付されているパスワードで利用できるようになります。(隙間時間も活用して勉強できます!)
具体的な「勉強方法」について
学習スケジュールの作成方法
まずは「学習のスケジュールを作成」します。
上記の本に付属している合格スケジュールは3週間で合格となっています。
(これは過去問演習ができるレベルになってからの3週間でそのまま使えます。)
初学者の方が勉強する場合、「解き方テキスト」から勉強になります。
解き方テキストは第1部〜第3部構成になっており、ページ数だと約100ページになります。これを最初の1ヶ月でマスターできる計画を立てます。
テキストが終わったら残りの3週間で付属のスケジュール通りに予想問題を繰り返し解けば合格できます。(付属のスケジュールでは予想問題4年分を3回転させる設計になっています。)
ざっくりとしたスケジュールとしては、
「解き方テキスト(1ヶ月間)」+「予想問題演習(3週間)」=約2ヶ月
で合格できる実力をつけることができます。(勉強時間:1日2時間目安)
「問題集の進め方」について
問題集は「基礎問題練習パート(第1部〜第3部)」+「予想問題3年分」の順で構成されています。
そのため、計画した日程通りにテキストの最初から問題を解いていけばOKです!
(「思ったより最初は時間がかかってしまうこと」や「勉強時間が確保できない場合」もあるため、都度スケジュールは調整してください。)
「申し込み方法」と「受験上の注意」について
試験の申し込みについて
「統一試験(ペーパー方式)」と「ネット試験(CBT方式)」の違いについて
簿記3級は「統一試験(ペーパー方式)」と「ネット試験もあり(CBT方式)」の2つの試験形式から選択が可能です。
「統一試験(ペーパー方式)」は従来の通常のテストです。
つまり、指定の会場に行って紙の問題・答案用意が配布されて試験をします。
「ネット試験(CBT方式)」は新しい方式のテストです。
指定の会場にいき、パソコンに直接解答を入力する方式の試験となります。
↓ネット試験には下記の「メリット」「デメリット」があります。
これらを踏まえて、試験方式はお好きな方をお選びください。
- 試験日が毎日のように設定されている。
- 結果が即日出る。
(ペーパー式だと2〜3週間後)
- 筆記試験よりも多くの時間を費やしてしまう可能性がある。(パソコン入力に慣れていない場合)
- 合格証は送られてこないので自分で印刷する。
試験の申し込み方法と受付期間について
試験の申込みはお住まいの地域の「商工会議所のホームページ」から可能です。
申し込みは試験日の「約45日前〜約30日前」に手続きをします。
(2ヶ月前にはきちんとした申し込み期間を確認しておきましょう!)
手続きはネット上で簡単に済ませることができます。
受験の際の「注意事項」について
試験当日の持ち物リストは下記の通りです。
忘れ物をしないようにチェックしてから会場に向かいましょう!
- 受験票
- 身分証明書
(運転免許証、パスポートなど顔写真付きのもの) - 電卓(関数電卓でないもの)
- 時計(スマートウォッチ不可)
- 筆記用具
(HBまたはBの鉛筆かシャーペン、消しゴム)
まとめ
本記事では簿記3級の試験について解説してきました。
簿記の取得理由は人それぞれだと思いますが、社会人としての基礎教養としても持っていて損のない資格だと思います。
この記事が簿記3級を受験する方のお役に立てれば幸いです。