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アンモニア濃度の「測定方法」について
今回の記事では水槽内の「アンモニア値の測定方法」について
わかりやすく解説してきます。
なぜ、アンモニア濃度を測定するのか?
水性動物を飼育する上で「水質の管理」は非常に重要です。
この管理を怠ると、あっという間に生き物は死んでしまいます。。
なぜ、「水槽内のアンモニア濃度を測定するのか?」
については下記の記事を御覧ください。
【水質管理】「アンモニア」と「亜硝酸」の毒性について
測定にはどのような「方法」があるのか?
では、どうやってアンモニア濃度を測定すればよいのでしょうか?
水槽内のアンモニア濃度は水温や溶存酸素のように、
水の中に直接センサーを入れて測定することができません。
そのため、採水をして専用の試薬を入れて反応させた後
色の変化でアンモニアの濃度を判断します。
今回は2社のメーカーの試薬の測定方法をご紹介します。
メーカーによって「特徴」と「使い方」はかなり違います。
~ご紹介する「測定試薬」~
①共立理科化学研究所
試薬名:パックテスト アンモニウム
型式: WAK-NH4-4
②Red Sea(レッドシー)
試薬名:アンモニア マリンテストキット
①共立理化学研究所「パックテスト」
まずは
「共立理化学研究所のパックテスト」です。
このキットでアンモニア態窒素を測定することができます。
私のオススメとしては「こちら一択」な感じです!
↑写真:共立理化学研究所のパックテスト
試薬の概要は下記の通りです。
~試薬の概要~
検査方法:インドフェノール青比色法
主試薬:塩素化剤とサリチル酸ナトリウム
測定回数:50回分
測定範囲:
〈アンモニウムイオン〉NH4+ 0.2~10 mg/L(ppm)
〈アンモニウム態窒素〉NH4+-N 0.2~10 mg/L(ppm)
使い方は「簡単」です。
「専用のチューブで吸い込むだけ」です。
そして、専用の標準色の表から数値を判断します。
↑写真:アンモニア態窒素の標準色
メーカーの説明書もとてもわかりやすいです!
↑表:メーカーの使い方説明書
この測定方法でザックリとした数値はわかります。
結果はアバウトな数値ですが、アクアリウムなどの
濾過槽の立ち上げ状態を確認するには十分です!
↑購入リンク:共立アンモニアパックテスト
~さらに正確なデータを取りたい場合~
でも、やっぱりアンモニア態窒素の値を数値で
知りたい方にはさらに2つの方法があります。
~アンモニアを数値で測定する方法~
①共立理化学研究所のアプリを使う。
②専用の吸光度計を購入する。
①共立理化学研究所のアプリを使う方法
こちらは共立のアプリをダウンロードすると使えます。
URLはこちら共立アプリダウンロードサイト
これで数値化ができるそうです!
しかし、こちらはアイフォンのApp Storeでのみ
利用が可能なためアンドロイドの私は試すことが
できませんでした。。。
(そのため、精度がどの程度化は不明です。)
②専用の吸光度計で測定する方法
アンモニアの濃度を本当に確実に数値で知りたい場合は
「専用の吸光度計を購入」して測定するしかありません。
こちらの機械では試薬を入れて変化した色の吸光度を測定し、
正確に数値を出すことが可能です。
ビジネスとしてやるならこれが一番オススメです!
↑購入リンク:デジタルパックテスト(アンモニア用)
ここまでの共立のパックテストの特徴をまとめると
下記のようになります。
~共立パックテストの特徴まとめ~
・超簡単に測定できる!
・「アンモニウムイオン(NH4+)」と
「アンモニア態窒素(NH4-N」の両方が測定できる。
・アプリを使えばざっくり数値化も可能。
・専用の装置を使えば吸光度から正確な数値を測定できる。
・日本のメーカーのため問い合わせすれば電話でいろいろ教えてくれる。
②Red Sea「マリンテストキット」
次にご紹介するのは
Red Sea(レッドシー)の「マリンテストキット」です。
こちらの試薬では総アンモニア量をを測定することができます。
そのため、アンモニア態窒素を基準とする場合は計算が必要です。
ざっくりと計算すると、アンモニア態窒素はNH4のNのだけであるため、
総アンモニア量×(窒素Nの原子量14÷アンモニアイオンNH4の分子量の18)
となります。
測定範囲は2ppmまでです。
使い方は
「3つの試薬を決められた時間に順番で投入」
していきます。
そして、最後に反応した水の色を
判別表と比較して濃度を判断します。
↑写真:RedSeaアンモニア判別表
試薬に同封されてるメーカーの説明書は下記の通りです。
↑写真:メーカー説明書
難しくはありませんが、少し工程は面倒です。。
数値はおおよその数値しかわからないですが、
アクアリウムなどで使用する場合は十分です。
コスパがよく、これ1箱で100回分測定が可能です。
↑購入リンク:RedSeaアンモニア測定試薬
まとめ(+亜硝酸について)
今回の内容をまとめると、
・使いやすさを求めるなら「共立パックテスト」
・正確な数値での測定をしたいなら「共立パックテスト」
・コスパを選ぶなら「Red Seaマリンテストキッド」
となります。
また、アンモニア以外にも水槽の水質管理では亜硝酸値の把握も重要です。
その時はアンモニアと同じく亜硝酸NO2のパックテストもあります。
↑購入リンク:共立理化学研究所パックテスト(亜硝酸NO2)
そして、アンモニアや亜硝酸以外にも硝酸や鉄分などを
「いろいろなファクターの数値を正確に取得したい場合」は
気前よく下記の機械を購入してしまうことをオススメします。
(養殖業者の必須アイテムです。)
これがあれば共立の全てのパックテストの吸光度が測定できます。
価格は完全に個人でなくはなく、ビジネス向けです。
↑購入リンク:共立理化学研究所デジタルパックテストマルチ