「次世代のたんぱく源」とは?(昆虫食や培養肉の可能性)

今が商機!?次世代のタンパク源とは?

タンパク質とは?

タンパク質」とは人間の筋肉や臓器、皮膚といった体の主成分となる栄養素です。

この「タンパク質」は「アミノ酸」が多数結合して作られています。

体の中のタンパク質は古くなるとアミノ酸に分解されて、
新しいタンパク質を再合成して体を作ります。

その過程で一部のアミノ酸は排出されてしまうため
人間は常にタンパク質を摂取し続けなければなりません。

国際連合は2050年には世界の人口が98億人になると予想されており(現状75億人)、
タンパク質の消費が急激に増加するのは間違いなく状況です。

世界的にタンパク質が不足することで
タンパク質の危機が起こる可能性も出てきています。

ちなみに「プロテイン」とは?
プロテイン(protein)はギリシャ語の「第一のもの」が語源で英語でいう「タンパク質」です。

日本では筋トレの時に摂取するサプリメントが「プロテイン」と呼ばれています。
プロテインはマッチョ(ボディービルダー)の必需品で筋肉を発達させる効果がありますが、
筋肉増強剤とは異なり食品として位置づけされています。

「プロテイン」についての詳細記事はこちら(プロテインについて

今はタンパク質を何から摂取しているのか?

タンパク質は「肉」や「魚」、「乳製品」、「卵」といった
動物性の食品」に多く含まれています。

植物でも大豆は「畑のお肉」とも呼ばれ、タンパク質を多く含んでいます。

私たちは畜産業でお肉や卵、農業で大豆や穀物、水産業で魚介類を生産することで
タンパク質を摂取することができています。

動物性のタンパク質の増産は可能か?

タンパク質を多く含む動物性の食品」は
植物性の食品と違い簡単には増産することはできません。

例えば、
牛肉を生産する場合、牛を育てるのには餌をして大量のトウモロコシを使用します。
(トウモロコシを1kg作るのに水を約1,800L消費します。)
そのトウモロコシをたくさん食べさせて育てた牛からとれる
牛肉は1kg生産するのには約20,000Lの水が必要となります。
牛肉

限られた水資源の中で動物性の良質なタンパク質を増産することは非常に難しいのです。。。

「次世代のたんぱく源」とは?

今後のタンパク質危機の対策として、畜産物に頼らずにタンパク質を生産する
スタートアップ企業がどんどん増えてきています。

新しいたんぱく源として「昆虫」や「」、
さらには「培養肉」といったものまで出てきてます!!

昆虫食ではコオロギを利用したプロテインバーがすでに発売されており、
カイコの粉末を利用したサプリメントなども出てきています。

昆虫食をご自身で試してみたい方はコチラ↓

また、藻やミドリムシのタンパク質を健康食品として利用している企業もあります。

さらに細胞を増やす培養液を開発し培養肉の研究も進んでいます。
この培養肉は動物を殺さない環境に優しい肉「クリーンミート」とも呼ばれて注目が集まっています。
培養肉 「培養肉(クリーンミート)」と「代替肉(フェイクミート)」は何が違うのか?

「養殖」と次世代タンパク源の相性は抜群!?

養殖で生産される「魚介類」は畜産物と同様に重要な動物性のたんぱく源です。

しかし、養殖で魚介類(特にマグロやエビといった生態系の上位の生き物)
を育てるためには「大量の魚粉」を餌として与えなければなりません。

そのため、今の養殖は動物性タンパクを作ってるでなく、大量に消費してる状態なのです。
養殖は食料自給率や世界の食料問題に貢献しているとよく言われますがこの点に関しては間違っています。

今の養殖はあくまで高単価で嗜好性の高い魚介類を生産する産業なのです。
ここが畜産業のように養殖業発展しなかった最大の理由なのです。
(詳しくはこちら養殖業が畜産業ほど発展しない理由

※養殖の水の消費量について
養殖は「循環式の養殖」であれば畜産物の生産で問題になる水の消費量を劇的に削減できます。
魚は水の中で生活していますが、畜産物のように水を消費しないため飼育水を循環させて再利用すると多くの水を使いません。
1kgあたりの水の使用量も1000L以下で生産ができます。

「養殖」では食料問題の解決に貢献できないのか?

魚粉が餌だから、「養殖では食料問題の解決に貢献できないのか?」
というとそうではないと考えています。

これからの養殖ではマグロやエビといった生態系の上位生物だけを育てるだけでなく、餌まで人工的に生産してしまうのです。
次世代タンパク質は魚粉に変わる餌の原料として大きな期待をしており、養殖との相性は抜群です!

すでに「コオロギ」や「イエバエ」は養殖用の餌としての活用も始まっています!
(個人的にはイトミミズを培養して養殖用の餌にするのが面白いと考えています。)

このような次世代のたんぱく源のスゴイところは植物からタンパク質を生み出していることろにあります。
つまり、植物」→「昆虫やミミズ」→「マグロ」といった人工の循環(生態系)を作ることで、
養殖がタンパク質の供給源となり食料問題の解決の貢献できるようになるのです!

次世代タンパク質の生産は「やるなら今しかねぇーー!!」のです。

2 COMMENTS

梶本ともこ

和歌山県の南、紀南地方に住んでいます。この近辺の里山ではモクズガニを湯がいて食べます。非常に美味しいです。モクズガニ、香港に長年住んだ人が言うに、上海蟹の味に似てるとのこと。インバウンドおよびアジアの中華圏での大市場があります。

このモクズガニ、カボチャでも育つそうです。植物性炭水化物?からタンパク質への変換、しかもモクズガニですから美味しさの元、アミノ酸は豊富だと思います。

田舎の人はカニで魚を釣りに行くように、大量モクズガニ養殖で、養殖の魚粉代替タンパク質としてモクズガニかサワガニ、殻ごと粉砕してペースト状にし、魚粉に混ぜて、20%ほど魚粉の量を減らす、とかできないか、いつも考えています。まずはモイストペレットの養殖用飼料にならないかな、と。これ実用化できるなら協力お願いしたいです。宜しくお願いします。

返信する
junkanya

はじめまして「循環屋」です。
コメントありがとうございます!

モクズガニの魚粉代替え飼料としての利用はとても面白い発想ですね!
これから養殖を発展させるために「魚粉代替えタンパク質の開発」は絶対必要な取り組みです。
(上海蟹に近いほどおいしいのであれば魚粉にしてしまうのはもったいない気がしますが、、)

実際にカニやエビといった甲殻類は植物(かぼちゃ)なども食べたりします。
しかし、モクズガニを大量に事業ベースで養殖するとなると植物由来の成分だけではなかなか難しいと思います。
成長が遅れたり、病気になったりといった問題がでてくることが予想されます。
(本当にカボチャだけでモクズガニが養殖できるのであれば是非方法を教えてもらいたいです!)

今後の魚粉代替えタンパクの候補としては、「昆虫(コオロギ)」や「草食性の魚(鯉など)」や「ハエ」などがあるとは考えております。
ですが、私自身もまだまだ本格的に取り組めておりません。

私もこれから新たな「代替えタンパク」の開発には取り組んでいきたいと考えております。

また、「循環屋のブログ」では「生態系へ無理のない循環型社会」を目指して日々の記事を更新していきます。

これからもよろしくお願いいたします。

循環屋

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です