どじょうの「生態」と「養殖方法」について

なぜ今ドジョウなのか?

昔は「田んぼ」や「側溝」にたくさんのドジョウが生息していたと聞きます。
今は通常の田んぼにドジョウはいなくなり、希少な魚となってしまっています。

しかし、先日コイの養殖をしている池で間引きの作業をしていると、放流していないのにたくさんのドジョウが自然発生していました。
ドジョウは「ドジョウ一匹、ウナギ一匹」と言われる程、小さくても栄養価が高い魚です。
今はウナギは資源枯渇の問題も出てきており、養殖できれば大きなチャンスがあります。味もかば焼きや柳川鍋、唐揚げといった料理で使用され高く評価されています。


(↑写真:どじょうの唐揚げ)
希少性、食味性、栄養面を兼ね備えるどじょうは「新しいビジネスチャンスになる可能性があります。」
ドジョウの養殖は昭和40年代に一度ブームになりましたが、未確立な養殖技術に過剰投資をしたために現状は勢いがなくなっています。

しかし、ブームは時を置いて何度も再来します!私はもう一度ドジョウにスポットライトが当たる日は近いのではないかと感じています。
今回は実際にドジョウを育てるために、ドジョウは「どのような生態」で「どのように養殖する」か調べてみました。

参考文献:ドジョウ 養殖から加工・売り方まで (牧野 博=著)

ドジョウの生態について

ドジョウは北海道から沖縄まで全国どこにでも生息する淡水魚です。
主に「田んぼ」や「水路」などに生息しています。
田んぼの中ではミジンコやイトミミズ等の様々な生物が育ち、食物連鎖の中でドジョウはそれらを捕食し育っていきます。

(↑動画:不耕起栽培の田んぼの中のイトミミズ)

また、ドジョウの特徴は魚類特有の「えら呼吸」と、「腸での呼吸」が可能なことです。(両方できますが、えら呼吸の能力は少し低いです。。)
水中の酸素が不足すると、水面に顔を出して、空気を吸い込み腸で酸素を吸収して肛門からガスをだします。そのため、大人のドジョウは水中の酸素が不足しても、酸欠では死なないといった特徴があります。(逆に水中で密閉された網でドジョウを捕獲すると、水面に出ての腸呼吸ができず、えら呼吸だけでは酸欠になり死にます。)
この特性から、わずかな水でも生きていけるため、冬は湿った土の中で冬眠します。

ドジョウがいなくなった理由

ドジョウ減少の原因は田んぼに多くの農薬が使用されるようになったためであると考えられています。(農薬の影響はドジョウ自体よりもドジョウの餌となるミジンコやイトミミズなどの小さな生き物達が先に殺され、それらを捕食していたドジョウがいなくなった可能性が高い。)
また、昔は水田と水路がコンクリートで仕切られていなかったため、田んぼの水を抜いた際はどじょうが水路へ避難したりすることができていましたが、今は行き来ができなくなりました。そのため、ドジョウ達が干からびて死んでしまうようになったことも原因の一つと考えられています。

(↑写真:昔の水路とコンクリートになった新しい水路)

ドジョウの育て方

養殖場所

ドジョウは育成は「屋外の池」で行い、冬場は成長を維持して通年出荷できるように屋内の「蓄養水槽」で飼育します。
「屋外の池」と「蓄養水槽」のセッティング方法と注意点は下記の通りです。

・野外の池(野池)
鯉の池と基本構造は一緒です。(コイの養殖方法はこちら錦鯉の養殖方法
田んぼを70cmから1m程度掘って止水池を作ります。
水深は50cm~70cmの深めにすることで、水温の変化が少なくなり、鳥による捕食を防ぐメリットがあります。
また、ドジョウは脱走が得意です。そのため、池の側面などはシートを取り付ける対策が必要です。


(↑写真:構造が似ている鯉の養殖池(参考))

池の立地条件としては「日当たりが良い土地」が理想的です。
日当たりが良いと植物性のプランクトンが発生しやすくなります。
植物性のプランクトンが増えると→動物性プランクトンも増え→ドジョウの餌が増えます。
水温も高くなるので成長も早くなり、販売時期も早められるメリットがでてきます。

野外の水槽での生産量の目安としてはベテランだと1反(約10m×10m)あたり200kg~400kgまでは生産できるとのことです。
(これは実際にドジョウの密度の限界はどの程度か試してみたい!!)

・蓄養水槽(冬期出荷用水槽)
収獲したドジョウを通年出荷するために、蓄養水槽が必要です。
蓄養水槽は水温が下がらないよう、ビニールハウス等の屋内に設置します。
水槽サイズは蓄養したい尾数に合わせて決めていきます。
尾数が少なく、小規模の場合はビニール水槽等も活用できます。
※蓄養水槽では成長はさせず痩せない程度に餌を与えて管理します。(水温が15℃以上であれば餌を食べます。)

養殖のスケジュールと段取り

・親のドジョウの育成
ドジョウの育成は卵が産卵できる親ドジョウの育成から始まります。

1月・・・親ドジョウの池に施肥をします。「施肥」とは池に鶏糞等の有機肥料を撒くことです。これにより、事前にドジョウの餌となるミジンコを大量発生させます。

2月・・・親のドジョウをミジンコが豊富に発生した池に放します。(親は初年度は購入、2年次以降は蓄養した親を使用できます。)

3月・・・多めに施肥をして、親ドジョウが体力をつけて良い卵を産めるように育成します。

5月上旬に採卵して、水槽で孵化させます。

・子供のドジョウの育成
親ドジョウから産まれた稚魚を育てていきます。

4月下旬・・・稚魚を放流する池に施肥をしてミジンコを発生させます。

5月上旬・・・孵化させた稚魚を放流します。(放流の時期とミジンコの発生時期をピッタリ合わせるのがポイント!)

7月中旬・・・育成を続け、仕上げ用の配合飼料を与えて味を良くする。

8月下旬・・・収穫作業を実施します。

※注意点:スケジュール感は土地によって気温差があるためざっくりの目安です。

まとめ

今回の記事を掲載するにあたり、ドジョウの生態や育成方法について調査しました。
ドジョウにはまだまだ秘められた可能性がたくさんあります☆
実際に自分で育成して収集した、新しい情報は下記の記事をご覧くささい!
どじょうの飼育実験!米ぬか給餌で育つのか?(育成レポート)

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