【錦鯉の養殖方法】「収穫」と「選別」の方法とは?

錦鯉の養殖方法~収穫と選別~(現場レポート)

錦鯉の「養殖方法」について追加取材していきました。(2018年10月6日訪問)

6月に訪問して取材した記事はこちら錦鯉の養殖方法

錦鯉の収獲方法

錦鯉のサイズ

今回の錦鯉は2018年5月27日に野池に放流し、4か月とちょっとで収穫の時期を迎えました。
前回訪問した7月末の選別の時には4~5cmの金魚程度のサイズであった鯉が、約15cm程度のサイズまで順調に成長していました。

(↑写真:「7月24日の鯉」と「10月6日の鯉」の比較)

錦鯉の選別による尾数の変化

最初に野池に放流した鯉は4万~5万尾ですが、収獲時に残っていた鯉は300尾程度です。

更に今回収穫したものから120尾程度まで選別をかけます。
(生存率0.3%の選別は厳しい世界です。。。。)

冬の室内水槽について

これから新潟は冬になるにつれて気温が低下し、野外で鯉の飼育はできなくなります。夏場はのびのびと屋外の野池で育てますが、錦鯉はこの時期に収穫して室内の水槽に移動させます。今回収穫した錦鯉達を移動させる水槽は水量2tで濾過槽付きです。(飼育尾数は130尾前後)

冬はこの水槽を加温するため、多くの電気代がかかります。
そのため、価値の高い美しい鯉のみをきちんと選別しておく必要があります。

(↑写真:冬期の蓄養水槽)

今回の収獲手順

収獲の事前準備
収獲の3日~4日前から野池の鯉への餌は止めます。
(ストック水槽に入れた際に、水の汚れを抑えるため)
また、移動先の蓄養水槽も水の循環を事前に行い、濾過槽が機能するようにしておきます。

収獲当日の手順
7月の間引きの選別の時は池の水を入れたまま、引き網で収穫を行いました。
今回はすべての鯉を引き上げるため、池の水を排水します。
鯉が酸欠にならない程度の水を残して排水し、傷がつかないよう優しく網で収穫します。

(↑写真:排水後の野池)

収獲した鯉は選別作業を行います。
今回はいい出来の鯉と価値の低い鯉の2種類に選別しました。
選別した鯉は屋内の蓄養水槽に移動する前に2日~3日野外の1t水槽で飼育して糞を抜きます。

(↑写真:選別用と糞抜き用の水槽)

収獲結果
収獲した鯉たちの親は「紅白」、「大正三色」、「藍衣」の3種類を掛け合わせています。
特に今回は「紅白」の鯉が良く育っているとのことです。
まだ、サイズも小さくこれから色が発色し価値が高くなりそうなコイだけをこれからも育成していくのですが、実際に販売につながる鯉は20尾前後になりそうです。4万尾から20尾は非常に厳しい世界です。

今回のベスト錦鯉はこちらです↓

まとめ

今回の収獲風景のまとめ動画はこちらです↓

品評会で評価される程の錦鯉を生産するとなると厳しい選別を通過して、大事に育てられたエリートのみです。評価された錦鯉は国内だけでなく海外にも需要がありものすごい高値を付けます。2019年2月には1匹2億300万円もの価格がつく鯉もでてくる面白い世界です!
2億円の鯉についての記事はこちらに詳しくまとめています。
錦鯉が2億円以上!?なぜ錦鯉に「高値」がつくのか?

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