養殖の「方法」と「種類」について

養殖の「方法」と「種類」はどんなものがあるのか?

養殖の「方法」や「種類」については一般のお客様(消費者)にはほとんど知られていません。今は養殖方法を知らないだけでなく、「鮭は切り身の状態で海を泳いでいる」と思っているような子供たちもいるくらいです。

新規事業として養殖ビジネスを始めようと考えている方にもほどんど情報がないのが現状だと思います。
今回は、養殖の「方法」と「種類」はどんなのものがあるのか?また、各養殖にはどういった「メリット」、「デメリット」があるのかご紹介していきます。

養殖方法には大きく分けて「海面養殖」と「陸上養殖」の2種類がある。

養殖方法は大きく分類すると2種類の方法があります。
一つは「海面養殖」、もう一つが「陸上養殖」です。

「海面養殖」とは?どのような養殖方法か?

海の中に網のいけすを作り、その中で魚を養殖するのが一般的な方法です。
養殖というと一番にこの方法を想像する方が多いのではないでしょうか?。
具体的には、今話題の”近畿大学のマグロ養殖”や”広島のカキ”もこの「海面養殖」で養殖されています。

↑資料:海面養殖の「イメージ」と「写真」)

「陸上養殖」とは?どのような養殖方法か?

「陸上養殖」とは陸の上に水槽を作って養殖する方法です。
この陸上養殖の中にも種類が2つあり「かけ流し式」「閉鎖循環式」があります。
「かけ流し式」は水槽は陸にありますが、使用する水は川や海からくみあげ、汚れた水はまた外の川や海に排水します。「閉鎖循環式」は一度ためた水を繰り返し使うため、環境に優しい養殖方法です。


資料:かけ流し式養殖の「イメージ図」)

資料:循環式養殖の「イメージ図」

「海面養殖」と「陸上養殖」のメリット、デメリットを比較!!

「海面養殖(網いけす方式)」のメリットとデメリットとは?

~メリット(長所)~

海面養殖のコストは餌代が約70%、稚魚代が約10%で合計80%を占めております。
水槽はもともとの自然環境を網で仕切っただけなので、ほどんど費用が掛かりません。
そのため、全体としてのコストは「割安で生産できる」のが最大のメリットです。

~デメリット(短所)~

海面養殖は水槽を自然環境の中で作成するため、環境のコントロールができません。
台風や赤潮、病気の流入等外部からの影響を受けやすく「安定生産が難しい」のが問題です。
また、新規で養殖ビジネスを始めたい方にとって海面養殖は新規参入のハードルが高いことも大きなデメリットとなります。海には漁業権があり、養殖可能なスペースも限られているため、新規参入が難しいです。

漁業法の改正により、民間業の新規参入を促進も行われてきています。
漁業法改正についての詳細記事はこちら(改正漁業法について

 

「陸上養殖(閉鎖循環式)」のメリットとデメリットとは?

~メリット(長所)~

閉鎖循環式の陸上養殖は「育成環境を完全にコントロールできる」ことが最大のメリットです。
海面養殖とは異なり、外部環境の影響はうけないため台風、赤潮被害も受けずません。
病原体の侵入の恐れが少ないため、「安定した生産」が可能になります。
薬品を使用せず、残餌やフンも海に流さず回収するため、環境への影響が少ないです。
また、新規ビジネスで参入する際に立地条件に制限がなく、海や川から離れた内陸部でも養殖が可能です。
既存の工場跡や、その他の遊休地を有効に使えるもの陸上養殖の大きなメリットです。

 

「陸上養殖」のメリットは人工光型の植物工場に考え方が非常に似ています。
植物工場についての詳細記事はこちら(植物工場とは?

 

~デメリット(短所)~

陸上養殖は「生産のコストが高い」のが最大のデメリットです。
最初に養殖場を建設する際に「多くのイニシャルコスト(土地のレンタルや土木工事、ポンプ等の機器類を用意する費)が発生」します。
また、餌代と稚魚代に加えて、海面養殖ではかからない「多くのランニングコスト(海水代やポンプの電気代、加温費等)が発生する」といったデメリットがあります。(陸上養殖は餌代以上に水質維持管理費用が掛かります。)
生産コストは生産原価であるため、商品の価格に直接影響してきます。そのため、陸上養殖で育成した水産物は付加価値をつけて、天然の魚よりも高単価で販売しなければなりません。

まとめ(今後の水産物の生産について)

急激に増える水産物の需要に対して、天然の漁獲に頼るだけでなく「海面養殖」や「陸上養殖」といった養殖産業を伸ばしていかなければなりません。そして、これからの養殖は環境にも配慮した方法でなければ持続可能な水産物の確保はできません。

新規ビジネスとして養殖をやる場合、今後は「陸上養殖」のような養殖方法が盛んになってくると考えています。
しかし、陸上養殖をにはコスト面で大きな課題があるのも事実です。
養殖ビジネスを「儲かるビジネス」にするためには、さらなる技術開発やノウハウの向上が必要不可欠です。

↓養殖の課題についてはこちらの記事も是非ご参照ください!
「養殖業」が「畜産業」ほど発展しない理由

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