「ポンプ」は水を低いところから高いことろに送る装置です。
ただポンプといっても世の中には様々なタイプのモノがあります。
例えば、「投げ込み式の水中ポンプ」や「ピストン式のポンプ」などいろいろです。。
その中でもプールや養殖場などで幅広く使用されているポンプが「渦巻きポンプ」です。
この記事では
「渦巻きポンプ」についての「原理」や「選定方法」などわかりやすく解説してきます。
目次
「渦巻ポンプ」とは?
【揚水原理】どのように水を吸い上げるのか?
渦巻きポンプの「渦巻きポンプ」は遠心ポンプと呼ばれるポンプで、
羽根車を回して発生させた遠心力で水を移動させます。
水を送り出すためには「吸い込み」と「吐出し」を同時に行います。
「吸い込み」はポンプ内部が真空になることで、吸い込む水に働いている大気圧がポンプの中に水を押し上げます。
「吐出し」は遠心力によって水を送り出します。
↑イメージ図:渦巻きポンプの「吸い込み」と「吐き出し」
【ポンプの特徴】どのような能力があるのか?
「渦巻きポンプ」は大量の水を送ることが可能です。
そして、様々な用途でしようすることができます。
しかし、渦巻きポンプの吸い込みは大気圧の力を利用しているため、
「揚程」が高すぎると水を吸い込むことができなくなります。
そのため、「多くの水」を「比較的に低揚程な条件」で送りたい時に適したポンプです。
【ポンプの構造】どのような部品がついているのか?
ポンプ自体は陸上セッティングします。
ポンプには「羽根車」と「ケーシング」といった部品がついています。
「羽根車」は回転することで遠心力を発生させます。
「ケーシング」は羽根車からでた水を集めて送り出す部品です。
そして、「モーター」と「ポンプ」が中央のカップリングで繋がれた構造をしています。
↑写真:荏原製作所 渦巻きポンプ(メーカーHPより)
【使い方】ポンプの起動方法と注意点は?
渦巻きポンプは内部に真空を発生させて、水を吸い上げるため起動時に内部を水で満たしてから使用します。
そのため、ポンプには呼び水口がついています。
~ポンプのメンテナンスの注意点~
ポンプは日々異音がしないか確認が必要です。
また、ポンプを取り付けたり、移動させる際には「芯出し」という作業が必要です。
「芯出し」とはモーターとポンプが水平に保たれた状態にセッティングすることです。
この作業は専用の工具と技術が必要です。
素人がやるとポンプの故障に繋がるため、必ず業者に依頼して取り付けてもらうことをオススメします。
(芯出しがキチンとできてないとあっという間にポンプが壊れました。。)
ポンプの「選定方法」
ポンプを選ぶ際には様々条件設定が必要となります。
購入の際には、下記のような項目を確認してクリアしていかなければなりません。
~ポンプ選定でチェックしたい項目~
・送り出したい液体は何なのか?
・どのくらいの流量が必要なのか?(吐出し量)
・どのくらいの揚程が必要なのか?(揚程)
・どういった使い方をしたいのか?
・電気の使用量はどの程度に設定したいか?
可能であればポンプの選定はメーカーさんに相談してしまうのが一番確実です。
しかし、相談するにも自分の要望を正確に伝えなければ相談できません。
その際に必要なのが「欲しい吐出し量」と「全揚程」です。
「吐出し量」とはポンプから吐き出される単位時間あたりの液体の量のことです。
「揚程」とはポンプによって液体が得たエネルギーを高さで表したものです。
ポンプの吸込口と吐出口の揚程の差のことを「実揚程」といいます。
さらに、ポンプは配管や逆止弁の摩擦などで水の勢いが阻害されます。
この抵抗による圧力損出分を「損失水頭」といいます。
この2つを足した数値が「全揚程」になります。
全揚程 = 実揚程 + 損失水頭
そして、縦軸に全揚程(m)、横軸に吐出し量(m3/min)で書いたグラフを全揚程曲線といいます。
全揚程曲線で効率のよい場所が書かれた図を「選定図」といいます。
この選定図をみることで、どのポンプが欲しいスペックに合っているのかを調べることができます。
※選定図はメーカーの製品カタログに掲載されています。
↑図:メーカー選定図の例(荏原ポンプHPより)
まとめ
ポンプの「選定」を素人がやるのは非常に難しいです。
ですが、自分の欲しいスペック(吐出し量や全揚程)を把握することは重要です。
これができればザックリとポンプの選定をすることは可能です。
まずは自分で調べて、購入の際にはメーカーさんに相談して決めるのがオススメです。
また、ポンプの設置は素人がやらずにプロの業者にお願いした方が良いです。
(大きなポンプは高価なので、自分でやると痛い目みます。。。)