目次
「食品トレーサビリティーシステム」とは?
今は物流のシステムが発展し、日本にいながら世界中の食べものを食べることができます。しかし、その食品がどこからきて、どのように作られたかわかりにくくなっています。食の「安心・安全」を守るために様々な取り組みや情報提供を推進する取り組みが行われています。
今回は、トレーサビリティーについてわかりやすくご紹介していきます。
「食品トレーサビリティー」とは?
「トレーサビリティー(traceability)」とは英語のTrace(追跡)とAbility(可能性)を組み合わせた言葉です。日本語では「流通経路情報把握」となります。
食品の生産から販売に至るまでの供給行程の情報を蓄積し、消費者がいつでもこれらの情報を把握できるようにするための仕組みのことです。もし、私達の食べている食品に事故が発生した際に情報の伝達や検証によって、その食品の回収や原因究明を容易にします。
食品のトレーサビリティーは川上(生産者)から川下(消費者)への追跡と、逆の川下(消費者)から川上(加工業者・生産者)への追跡を可能とします。そうすることで、私たち消費者は食の信頼性を高めて、安心して食品を購入することに役立ちます。
日本ではBSE問題や食品偽装問題の発生により注目が集まりました。
「トレーサビリティーシステム」とは?
「トレーサビリティーシステム」とは流通する製品の「ロットや個体、製造事業者や製造場所の識別」をできるようにしたうえで、川上から川下への流通過程を記録する様式を定めて対応づけ(ルールの制定)をするシステムのことです。
これを実現するために識別単位ごとに識別記号(ID)をつけて管理します。
「識別記号(ID)」の種類について
製品の識別を可能にするためには情報を伝達するための識別記号が必要です。識別記号は製品につけられますが、情報技術の発展に伴い様々な識別媒体が出てきています。トレーサビリティーに取り組む事業者はそれそれの識別媒体から最適なものを選んでシステムを構築していくことが求められます。識別媒体としては下記のような方法があります。
①見てすぐに分かる紙の書類
製品に直接証明書書を貼り付ける、もしくは製品の法品所や送り状などで表示する超アナログな方法です。
②バーコードによる紙媒体
バーコードを表示形式として商品のラベルやパッケージに貼り付けます。バーコードはバーコードリーダーで読み取ることができるため読み取ることが簡単にできます。しかし、バーコードで表現できる情報は数字情報であるため情報量は少ないです。
③2次元コードによる紙媒体
2次元コードとは白黒の点や線を複雑に組み合わせて表示するため情報量が多いのが特徴です。
(↑写真:2次元コードの例)
これは、食品のラベルやパッケージに印刷して貼り付けることで情報をやり取りすることができます。今はスマホに2次元コードの読み取りアプリがついてるため、この方法がコスト的にも一番よいです。さらにこれから5Gの回線によって通信速度が高速になり、テキストベースでなく動画での情報発信も可能になります。トレーサビリティーで製品の作られた場所や人だけでなく、どのような方法でどのようなストーリーやこだわりを持って作られた製品のかといった情報までのせた農産物や水産物も近い将来出てきます。
③ICタグ
電子情報をICタグに入れて、情報をやり取りする方法です。しかし、この方法はコストが高くです。情報量もICタグ自体にある程度の情報を搭載できるのですがネットにつなげることのできる2次元コード程ではありません。
まとめ
今後もトレーサビリティーで「安心・安全」確保をするのは重要です。それに加えて、2次元コード+ネットの利用によって動画情報を添付して生産物のストーリーを伝えることができるようになりまう。そうなるとだだの安心安全の情報だけでなく「農産物や水産物の付加価値向上」も可能になるのではないかと考えています。
また、今の子供たち(特に都会で暮らす子供達)は自分たちの食べてるものがどのようん作られたものかを知らないで食べています。そんな子供たちへの食育の一環としても2次元コードと動画の組み合わせは今後重要な役割を果たしていくのではないでしょうか?