持続可能な開発目標「SDGs(17Goals)」とは?

持続可能な開発目標「SDGs」とはなにか?

今、世界の人口は75億人を突破し、今後も人口は増え続けると予想されています。人口増加に合わせて、食料もエネルギー資源の消費量も急増してきています。今まで通りに食料を大量に廃止したり、使い捨てによるゴミを出していたのでは食料も資源も枯渇していきます。そんな中、世界中で2030年までに先進国や発展途上国問わず、国・企業・NPO法人・個人といった垣根も超えてより良い未来を作るために国連で17項目の目標が制定されました。

今回の記事では「SDGs」についてわかりやすく解説するとともに、「農業・養殖ビジネスで17個ある目標に対してどのように貢献できるか?」もまとめています。

・「SDGs」は何の略?

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で日本語にすると「持続可能な開発目標」となります。SDGsはカタカナ読みで「エスディージーズ」と読みます。(最後のsはGoalsのエスなので読み方はエスディージーエスは間違いです!)SDGsでは17項目のゴール(17Goals)を設定しています。

・「SDGs」はどのように採択されたのか?

2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。
参照:外務省ホームページより

「SDGs」ってどうやって使うの?

「SDGs(持続可能な開発目標)」をどうやって使うのが「正解」といった答えはありません。世界中の人々全員が自分の問題として意識し、できる目標から取り組めばよいのです!
それは「SDGs」自体が決定されたプロセスにも表れています。「SDGs」は世界の国連・政府・企業・個人など様々な立場の人達が協議をして1000万人ものオンライン調査をもとに成立した目標であり、誰でも参加し、使うことのできる枠組みになっているのです。

「農業・養殖ビジネス」でどのようにSDGsに貢献できるのか?

日本企業でも多くの企業がSDGsに取り組み初めていますが、多くの企業はまだCSR活動(企業の社会的責任を果たす活動)の一部として取り扱う程度になっています。日本の大企業のビジネスでは全力でこの「SDGs」に取り組むことは難しいようです。

しかし、「農業・養殖ビジネス」はそもそもが持続可能な開発の根幹となるビジネスのため「SDGs」にフルコミットできます!!
17項目の目標の中で、具体的にはどの目標にコミットしていけるか見ていきます!!

・飢餓をゼロに!


世界中に飢餓に苦しむ人は約8億人はいると言われています。特にアフリカやアジア等の発展途上国では栄養が偏って命を落とす子供達や、健康を維持できない大人達もたくさんいます。
飢餓を救うために食料生産を行う「農業・養殖」はダイレクトでこの問題解決に取り組めます!しかし、だだ生産量を増やすだけではダメです。生態系を守り、循環型かつ持続可能な農業をしていくことが重要です。

・エネルギーをみんなに、そしてクリーンに!!


農業・養殖で持続可能な食料生産をするためにはエネルギーが必要です。しかし、化石燃料や原子力発電でエネルギー供給をしているようでは持続可能性はありません。そのため、食料生産に「再生可能エネルギー」を取り入れていくことでエネルギー問題にも貢献できます。
再生可能エネルギーについての記事はこちら(再生可能エネルギーについて

・つくる責任、つかう責任!!


今世界中の人々は大量のエネルギーを使い、資源を使って大量生産・大量消費を繰り返しています。この先もこうした生産と消費を繰り返していたら地球が何個あっても足りません。農業・養殖でも製品になるもの以外の生産物がゴミになるようなこともありますが、きちんと残り物をゴミにしない取り組みをすることでこの問題に貢献できます。(ゴミを出すのは人間だけで自然の循環の中では本来ゴミは生まれないのです。)
例えば、農業でコメを作ったときの「米ぬか」も廃棄してしまうのではなく、そのまま加工して食べたり、肥料として活用することでゴミにはならず有効な資源として活用できます。
大量生産・大量消費をなくした循環型社会「サーキュラーエコノミー」についてはこちらの記事に詳しく記載しています(サーキュラーエコノミーとは?

・海の豊かさを守ろう!!


人類は太古の昔から海の恵みを利用して生きてきました。しかし、今は環境汚染や過剰な漁獲によって海洋資源はどんどん減っています。このままのペースで行けば海の資源が枯渇するのは間違いありません。そのため、今後は海だけに頼るのではなく、環境負荷の少ない陸上養殖のような循環式養殖を取り入れた養殖を広げていくことで海の豊かさを維持に貢献できます。
循環式養殖についての記事はこちら(循環式養殖とは?

・陸の豊かさも守ろう


農業・養殖ビジネスは豊かな環境がなければ美味しい製品をつくることは難しいです。そのため、農業・養殖ビジネスを活性化させることは陸の自然も守っていくことに繋がります。特に山は重要な資源であったのが、今は山の価値はほぼなくなってしまっています。山の価値についてはこちら(山の価値とは?

・具体的な取り組みとは?
例えば、牡蠣の養殖をするにしても牡蠣の栄養源は森や山の中で作られ、川を流れて養殖場のある海に流れ着きます。豊かな森がなければ牡蠣の養殖はできないのです。そのため、牡蠣の養殖業者が植林まで行っている企業もあります!こういった取り組みは持続可能な食料生産を行うためには不可欠なのです!

まとめ

農業・養殖ビジネスは「SDGs」とは相性ピッタリです!!上記で17項目のうち特に貢献しやすい5項目を取り上げましたが、農業・養殖ビジネスは広い視点で見ると5項目だけではなく、17項目すべての問題に何らかの貢献ができます!!(17項目の目標は、結局どこかで繋がっているのです!)

農業・養殖で新規ビジネスを始める際には具体的な利益も大事ですが、「SDGs(持続可能な開発目標)」のような考え方も取り込み、全人類に役立つといった大きな視点で目標を持つことも重要です。そうすることで、企業理念に一本芯が通り、働くモチベーションの維持にも繋がってきます!

やはり「持続可能な農業・養殖ビジネス」は世界を救うことのできる、社会貢献度のものすごく高いビジネスなのです!!

参考書籍:
・未来を変える目標SDGsアイデアブック
・環境ビジネス SDGs入門 2018年冬号

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