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塩ビパイプの「種類」について
塩ビパイプは上下水道の業者さんだけでなく、
DIYブームで一般の方も使う機会が増えてきています。
しかし、塩ビパイプの種類はとってもわかりにくいです。
いろいろな形があって、材質も違い、色まで違う、、、
ホームセンターの塩ビ売り場に行って、店員さんに欲しいモノの
場所を教えてもらいたくてもパーツの名前すらわからない。
すると、
「色は灰色で~、肉厚で~、太めの配管に使う~、
3方向が全て同じサイズのT字のパーツはありますか?」
と聞くしかありません。
この記事ではこの質問を、
「VP50用のTSチーズありますか?」
と聞けるようにわかりやすく解説していきます。
配管の「色」について
塩ビパイプには3種類の色があります。
①通常の「グレー」のパイプ
②「黒い」パイプ(HI管)
③「あずき色」のパイプ(HT管)
これの違いは簡単です。
耐衝撃に特化したのが「黒」
耐熱性があるのが「あずき色」
そのため、何も指定しなければ
「グレー」が一般的なパイプとなります。
配管の「色」についての詳細はこちら↓
【身近な疑問】なんで塩ビ管の色は違うのか?(種類による用途の違いについて)
配管の「厚さ」について
通常の「グレー」の配管には2種類の厚さのパイプがあります。
パイプの厚さは用途によって異なります。
①厚みのあるタイプ
VP管・TS継手
①「厚みのあるタイプ」は
水道などの圧力のかかる配管に使用します。
この厚みのあるタイプで直線のパイプは「VP管」、
それをつなげるパーツは「TS継ぎ手」と呼びます。
②薄いタイプ
VU管・VU継ぎ手
②「薄いタイプ」は
排水の系統などの圧力のかからない配管に使用します。
軽いので扱いはしやすいですが、強度が弱く、
簡単に割れてしまうことが多いです。
この薄いタイプの配管とつなげるパーツは
「VU管とVU継ぎ手」と呼びます。
~VP管とVU管の比較~
↑写真:左がVP50、右がVU50
配管の「太さ」について
塩ビ配管は、
VP管で一番細いのは「13サイズ」
VU管で一番細いのは「40サイズ」
から用意されています。
パイプの太さはサイズが小さいと細かく設定されていますが、
大きくなればなるほどザックリしたサイズ感になってきます。
それぞれのパイプの「外径」と「内径」の
規格表は下記のとおりです。
外径:パイプの外側の直径(mm)
内径:パイプの内側の直径(mm)
※寸法は近似値です。
~VPパイプの規格表~
サイズ | 外径 (mm) | 内径 (mm) |
13 | 18 | 13 |
16 | 22 | 16 |
20 | 26 | 20 |
25 | 32 | 25 |
30 | 38 | 31 |
40 | 48 | 40 |
50 | 60 | 51 |
65 | 76 | 67 |
75 | 89 | 77 |
100 | 114 | 100 |
125 | 140 | 125 |
150 | 165 | 146 |
~VUパイプの規格表~
サイズ | 外径 (mm) | 内径 (mm) |
40 | 48 | 44 |
50 | 60 | 56 |
65 | 76 | 71 |
75 | 89 | 83 |
100 | 114 | 107 |
125 | 140 | 131 |
150 | 165 | 154 |
200 | 216 | 202 |
250 | 267 | 250 |
300 | 318 | 298 |
お店に行く前に確認しとくとスムーズに買い物ができます。
もし、既存で使っているパイプがあれば、
パイプには下記のようにパイプの情報が記載されているので、
これを確認するのが一番確実です。
(表記の部分が切り取られてたりしてることも多いですが。。)
↑写真:配管にVP50と記載されている。
継ぎ手の「種類」について
配管を接続する際には「継ぎ手」を使います。
継ぎ手にもVP(給水用)とVU(排水用)があります。
しかし、形ごとの呼び方はどちらも同じです。
今回は「よく使う継ぎ手」に絞ってご紹介します。
※ 写真はVPの画像で記載しています。
ご紹介する継ぎ手は下記の通りです。
~ご紹介する継ぎ手一覧~
①エルボ
②チーズ
③ソケット
④キャップ
⑤バルブソケット
⑥給水栓ソケット
⑦フランジ
①エルボ
エルボは90度に曲げる時に使う継ぎ手です。
ヒジのように曲がってるので「エルボ」です。
↑写真:TSエルボ(VP管用)
【注意】
VUのエルボは劣化してすぐに割れるので、
排水系統でも絶対に漏れたら困るところは
VPを使用した方がいいです。
②チーズ
配管を3つの方向に取り付けたい時に使用します。
↑写真:TSチーズ(VP管用)
また、チーズの中には太さの違う配管を接続することが可能な
「異径チーズ」もあります。
③ソケット
配管を延長したい時に使用します。
↑写真:TSソケット(VP管用)
また、配管の途中から配管の径を太くしたり、細くしたりすることのできる
「異径ソケット」はとても便利です。
↑写真:TS異径ソケット(VP管用)
④キャップ
配管の終わりの部分に使用します。
↑写真:TSキャップ(VP管用)
⑤バルブソケット
片側が「ソケット」で片側が「ねじ込み(オス)」
になっているソケットです。
↑写真:TSバルブソケット
【注意】
ねじ込み部分の水漏れを防止するために、
取り付けの際はねじ込みの部分にシールテープ
を巻いたほうが確実です。
↑写真:シールテープ
⑥給水ソケット
片方が「ソケット」で片方が「ねじ込み(メス)」
になっているソケットです。
↑写真: TS給水ソケット
⑦フランジ
塩ビ配管を「ボルト」と「ナット」でつなげる時に使います。
↑写真:TSフランジ
まとめ
この記事での課題は
「色は灰色で~、肉厚で~、太めの配管に使う~、
3方向が全て同じサイズのT字のパーツはありますか?」
という質問を
「VP50用のTSチーズありますか?」
と言えるようになることでした。
記事をもとに解説すると、
「色は灰色だから指定はなしの通常配管」で、「肉厚なのでVP管」、
「配管は内径50mmの太さなので上記の規格表から50サイズ」、
「3方向全て50サイズのT字型の継ぎ手なのでTSチーズ」となります。
ややこしい塩ビ管の「名前」と「種類」の理解に手助けになれば幸いです。