「水産資源」は枯渇してしまうのか?

将来「天然の水産物」は獲れなくなってしてしまうのか?

近年、鮭の不漁、イカの不漁、サンマの不漁といった水産物が取れなくなっており「水産物は枯渇する!」とニュース等で言われることが多くなっています。
一方、今の不漁は一時的なもので水産物がなくなることはないとの考えもあります。
水産物の現状はどうなのでしょうか?
本当に水産物は枯渇してしまうのか考えていきます。

水産物の現状は?

下記のグラフは天然の漁獲量と養殖の漁獲量を比較したグラフです。
人口増加や健康志向の高まりによって、水産物の需要は右肩上がりに増加をしています。
しかし、「天然の水産物」の漁獲量は横ばいで、すでに限界を迎えています。

現在までの急激な魚介類の需要の拡大は「養殖」によってなんとか賄われてきました。
しかし、この養殖業も近年限界に近付いてきています。。。。

資料:FAO
「Fishstat(Capture production 1960-2008)及び農林水産商「漁業・養殖生産統計年報」に基づく。

養殖がなぜ限界に近付いているのか?

今までの養殖は比較的陸に近い場所にいけすを作り、餌を与えて生産性を増やしてきました。
しかし、こういった養殖のできる場所は限られており、簡単に漁場を増やすことはできません。

世界の養殖場での例で見ると。。。
東南アジアでは近年、エビの養殖が盛んに行われるようになりました。発展途上の国の人々にとってはエビは需要があり、付加価値が高いため儲かるのです!!そのため、なんとしても生産量を増やそうと、次々とマングローブ林を伐採して養殖池を作り、多量の薬品を使用し環境破壊をしながら養殖しています。このスタイルの養殖は数年で養殖場が使えなくなり、次々と新しい土地に移っていきます。これでは今後も持続可能な養殖はできません。

このようなことが、様々な魚種で行われているのです。

結論(まとめ)

このまま、天然の水産物を獲り続け、環境負荷の高い持続可能性のない養殖ばかり続けていれば水産物はいずれ枯渇します。

ですが、近年はこの危機を回避するために環境負荷の低い「陸上養殖」や、沿岸でなく沖合の海で養殖してしまう「沖合養殖」といった新しい養殖方法も出てきています。
また、直近では水産法が改正されて漁獲量の制限方法も変わってきています。
※漁業法の改正についての詳しい記事はこちら(改正漁業法について

私達も水産物がなくなるのをただ待つのではなく、今後はこういった技術で生産性を高め、「持続可能な養殖」を広げていく必要があります。

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