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化学の力で「炭酸水」を作ってみる!!
昔は無糖の炭酸水はお酒の割り材としての使用がメインでした。
しかし、今は無糖炭酸がコンビニでもたくさん売られており、
水の代わりに飲む習慣が根付いてきています。
これから、暖かくなるとさらにスッキリ爽快な炭酸水は必需品です!
「そんな炭酸水を化学反応の力を使って作るとどうなるのか?」
今回は炭酸水の作り方にについてご紹介いたします。
「炭酸水作り」の化学的メカニズムとは?
どんな化学反応を使うのか?
炭酸水を作るのには「中和反応」を使います。
「中和」とは酸性とアルカリ性がお互い打ち消しあう反応のことです。
水溶液は「水素イオン[H+]」と「水酸化物イオン[OH–]」のどちらが多いかで酸性とアルカリ性が決まります。
そのため、酸性とアルカリ性が混ざり中和反応が起こると、ほとんどの場合は水(H2O)が発生します。
この酸性とアルカリ性を表す指標が「pH」です。
※「pH」についての詳細記事はこちら↓をご覧ください。
【水質管理】「pH」とは?どのような指標なのか?
手作り炭酸水の作り方
炭酸水づくりの材料
炭酸水作りの材料は下記の通りです。
材料名 | 性質 | 化学式 |
水 (サントリー天然水) |
中性 | H2O |
クエン酸 (結晶) |
酸性 | C6H8O7 |
重曹 (炭酸水槽ナトリウム) |
アルカリ性 | NaHCO3 |
(↑写真:炭酸水作成の材料)
炭酸水の作り方
①サントリー南アルプスの天然水500mLを用意。
水は良く冷やしておきます。(水の種類はなんでも大丈夫です。)
~水を冷やしておく理由~
炭酸水は水に二酸化炭素(CO2)が溶け込ませて作ります。
二酸化炭素は気体です。気体は水に溶けますが、水の温度が高いと溶けにくく、
水の温度が低いと溶けやすくなります。
また、高い圧力をかけることによっても多くの気体を溶かすことができます。
②水に「重曹」と「クエン酸」を混ぜる。
500mlの水を炭酸用のペットボトルに移し替えます。
(注意:お茶や水のペットボトルだと強度が弱く破裂する可能性があります。)
そして、移し替えた水に「重曹」と「クエン酸」を小さじ1杯づつ入れます。
(↑写真:水に重曹とクエン酸を入れている様子)
~「重曹」と「クエン酸」が混ざった時の反応~
クエン酸+炭酸水素ナトリウム→クエン酸ナトリウム+炭酸となります。
クエン酸と重曹を混ぜると「水(H2O)」と「塩(クエン酸ナトリウム)」と「二酸化炭素(CO2)」が発生するのです。
③完成した炭酸水の試飲
きちんと炭酸水は完成しました!!
(混ぜた瞬間にシュワシュワと泡がスゴイ勢いででてきます!)
(↑写真:炭酸水完成時の様子)
しかし、炭酸水を試飲した結果は。。。
炭酸が弱めで、後味がイマイチでした。
美味しくない原因としては中和反応で生じた「クエン酸ナトリウム」が後味を悪くしていると考えられます。
さらに、気体に強い圧力がかからないため炭酸も弱くなってしまいました。
まとめ
化学の力で炭酸水はなんとか作れましたが、クオリティが低くウィルキンソンのようなシャキッとした飲みごたえがあり、後味さわやかな美味しい炭酸水を作ることはできませんでした。
(安全に化学を学んで学習できるため、自由研究にはピッタリかもしれませんが!)
しかし、化学の力を借りなくても世の中には企業が開発した便利な炭酸水メーカーが販売されています。
さすがに、商品化された商品は便利で素晴らしいです。
下記は画期的なメーカーの炭酸水作成機です。
おすすめ炭酸水メーカー
・ソーダストリーム
炭酸水のつくり方は専用のボトルにお好みのドリンクを入れて炭酸を吹き込むだけ!!
弱くなった炭酸も復活させることも可能です!
お好みのドリンクは水だけでなく、ワインでやればスパークリングワインになり、
コーヒーでやればスパークリングコーヒーなんかも作ることができます。
自宅でおいしい炭酸を作るなら化学の力で作るのではなく、ソーダストリームの力を使った方が良いかもしれません。
参考書籍
・ニュートン 2019年6月号
とことんわかりやすい「見る教科書」化学
・新しい高校化学の教科書
佐巻 健男 編著