イチジク栽培の基礎知識(剪定方法・栄養・食べ方について)

「イチジク」についての基礎知識

儲かる農業の成功例として「ブルーベリー畑の観光農園化」が注目されています。ブルーベリーをただ単に生産するのではなく、お客さんに実際に来てもらい、ブルーベリー狩りを体験してもらい、ブルーベリーという製品だけでなく楽しみややりがいといった付加価値をつけた成功例です。(楽しみを提供するだけでなく、一番手間とコストがかかる収穫作業もやってもらえるといった生産者側のメリットもあります。)
ブルーベリーの観光農園化についてはこちらの本に詳しく書かれています。

このモデルはブルベリーだけで可能な訳ではありません。他の農作物でも応用ができます。
(さらに発展させれば水産でも応用可能だと考えてますが!)

今回は実際にイチジク農家さんを訪問させていただけるチャンスがあるため、訪問前の予習を兼ねて「イチジクについての基礎知識」について勉強した内容をわかりやすく解説していきます。

「イチジク」とは?

「イチジク」ってどんな作物なのか?

「イチジク」とは分類学的にはクワ科イチジク属の植物で和名は「イチジク」、漢字は「無花果」で、学名はFicus carica L.です。
落葉果樹であるため、冬はすべての葉が落ちた状態で休眠します。春になると枝の先端や節々の芽が次々と広がって成長していきます。6月頃には葉の付け根に緑色の小さな丸いふくらみ(花芽)ができます。このふくらみが大きくなると一度肥大が止まります。イチジクはこの実の中で花を咲かせます。そのため、漢字では「無花果」と書きます。緑色の実の中で開花した後は1か月以上ほとんど肥大さずに緑のままです。しかし、内部では成熟が進んでいきます。(日本で栽培している品種は花が受粉しなくても成熟が進みます。)この停滞期の後に果実は再度肥大を始めて1週間~10日間すると見事な成熟した果実となります。

イチジクの「旬(収穫時期)」はいつか?

イチジクの収穫期は一般的には夏から秋です。そのため、この時期が「旬」となります。

イチジクの「味」はどうなの?

果肉がやわらかく、酸味が少ないやさしい甘さをしています。

イチジクの食べ方とは?どうやって食べるの?

イチジクはそのまま「生」で食べることができます。また、イチジクは果肉がやらかいため、保存が難しいのですがジャムやコンポートなどのビン詰めの加工食品にすることで保存性を高めて、数か月も日持ちさせることができます。加工することで保存性がよくなるだけでなく、「濃縮された風味豊かな味」といった付加価値をつけることもできます。
また、海外では生での日持ちが数日しかしないため、乾燥させて「ドライフルーツ」として流通させるのが一般的です。

イチジクの「栄養価・効能」とは?

イチジクのカロリー(エネルギー量)は54kcalでバナナの3分の2程度です。栄養価としては「カルシウム」が豊富で、「食物繊維(ペクチン)」も多く含まれています。イチジクのペクチンの量はリンゴの3倍、ブドウの6倍も含んでいます。ペクチンは血糖値やコレステロールを下げる効果があると言われており、体内の有害な活性酸素を中和させる抗酸化作用もあります。

※昔の人の中にはイチジクというと「いちじく浣腸」のイメージを持ってる人もいますが、全く別物です(同じなのは形だけです)。しかし、「お通じがよくなる」という点では皮肉なことに共通点はあります。。。

「イチジク」の栽培方法とは?

「イチジク」はどのような気候で育てることができるのか?

イチジクの原産国は亜熱帯の温暖な土地ですが、耐寒性が高く一時的であれば幼木で−7℃、成木で−8℃~−12℃まで耐えることができます。(かなり寒くても大丈夫!)そのため、関東地方から西の地域の平地であれば幼木の時に寒さ対策さえしてあげれば栽培することが可能です。

「イチジク」ってどうやって増やすの?

イチジクは「挿し木」で増やすことができます。「挿し木」とは枝を土の中に突っ込んでおけば、勝手に根を伸ばして苗になります。(コピー能力が半端じゃない!これは一度チャレンジしてみる価値がありそうです!)

「イチジク」の生産スケジュールはどうなっているのか?

イチジクの生産工程は下記のような年間スケジュールで行います。

3月上旬~中旬

・苗木の植え付け作業
苗木の植え付けはこの時期に行います。
(冬場に霜がおりないような温暖な地域であれば11月下旬から12月下旬に植え付けてしまった方が寒くなるまでの間に根を張ることができるため春の成長がとても良くなります。)

3月下旬~7月中旬

・生育期
最初に根が活動をはじめ、葉っぱがでてきて、枝が伸びて実をつける準備をしていきます。この時期に水やりも本格的開始します。

7月中旬~9月中旬

・収穫期
この時期がイチジクの収獲時期となります。品質のよい果実に成長させるために日当たりの管理や水やりを欠かさずに行います。

9月中旬~11月中旬

・落葉期
根が成長を始めて、葉で作られた養分をためます。翌年の収穫量はここでの養分の量で決まるためこのタイミングで追肥も実施します。

11月中旬~翌春の3月中旬

・休眠期
枝を剪定して整えたり、土壌改良を行いつつ冬を耐え凌ぎます。

 

まとめ
(見学や体験といった貴重な経験をする前の心得について)

今回はイチジク農家さんの訪問前の予習としてこの記事をまとめました。実際の訪問が楽しみでわくわくしております!

このように実際に農業や水産業の現場を見学や体現ができる貴重な経験をする機会はなかなかありません。見学をする際には最大限の情報を持って帰れなければ非常にもったいないです。この貴重な機会を最大限に活かすために絶対にしておいた方がよいのが「事前の知識の蓄積」、つまり「予習」です。

人間は「同じ経験をしても事前に知識があるかないかで得られる情報量が大きく変わる」という性質があります。例えば、ロレックスの高級時計の価値を事前に知っていれば、この時計をつけている人を見た際に「高い時計つけられるってすスゴイな!」とか「ロレックスのどのモデルだろう?」といった質問が沸き、新しい情報がドンドン頭に入っています。しかし、事前にロレックスの価値を知らなければ時計をつけていることにすら気がつかないような状態になるのです。

このように同じものを見ても知識や興味のない人にとってはこれらの情報は盲点となり全く認識されず完全いスルーされてしまいます。この盲点のことを心理学用語では「スコトーマ」と言います。そのため、貴重な体験をする前には興味全開で予習をしっかりして「スコトーマ」を外して、有益な情報をありったけ持ち帰ることが重要です。

私自身も普段は養殖場の案内や見学会を主催しているのですが、こういった興味全開で事前勉強してきたお客さんには有益な情報をドンドンだしていきたくなってしまうものです!

みなさんも見学や新しい体験を機会がきたら、事前に多くの知識を頭に突っ込んでモチベーションをあげて参加してみてはいかがでしょうか?

参考書籍:
・特産品シリーズ イチジク
栽培から加工・売り方まで 株本 暉久 編著
・NHK趣味の園芸 よくわかる栽培12か月 イチジク
大森 直樹 著
・育てて楽しむ イチジク
栽培・利用加工 細見 彰洋 著

~おすすめ書籍~
育てて楽しむイチジク
栽培・利用加工 細見 彰洋 著
内容:カラー写真付きでイチジクの品種の紹介やおすすめ、剪定方法までわかりやすく記載されている入門書。イチジク栽培を始める前には読んでおきたい一冊です。

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