工場や養殖場では様々なポンプが使用されています。
しかし、三相電源で動くポンプをメンテナンスして、再度取り付けた後に「ポンプが水を吸わなくなる場合」があります。
この記事では「ポンプが水を吸わなくなる原因と対策」について解説していきます。
目次
【原因】なぜ、ポンプから水がでなくなるのか?
ポンプを取り外して、メンテンスした後にポンプから水がでなくなる(または水の量が少なくなる)場合、「原因は配線間違いの可能性が高い」です。
まずは、ポンプのモーターが動いているか確認してください。
さらにモータ動いていて逆回転していれば、配線の間違い確定です!
【理由】なぜ、配線を間違えると逆回転するのか?
三相モーターは正しい相順序で電源から電力供給を受ける必要があります。
相の順番が逆転するとモーターも逆回転してしまいます。
水中ポンプの場合、インペラ(回転羽根)は、構造・形状によって正規の回転方向があります。そのため、逆回転をさせた場合でも揚水はしますが、所定の揚水量が得られないため水がチョロチョロしか出なくなります。このまま運転を続けるモーター損焼などを起こす場合があり早急にメンテナンスする必要があります。
【修理方法】どうすればモーターの逆回転が直るのか?
モーターが逆回転している場合、
「2つの相を交換する」ことで回転方向を正しい回転に修正できます。
復旧方法を詳しく解説:
モーターの配線は下記の写真のように「電源側」と「モーター側」を繋いで使用しています。
↑写真:実際の接続部分
わかりやすく図解すると下記のようになります。
3本の配線のうち、2本を入れ替えるとモーターは逆回転になります。
上記のパターンでは逆回転のモーター側の「赤」と「青」を入れ替えれば正しい配線に復旧することができます。
モーターが正しい方向に回転すればポンプから勢いよく水がでるようになるはずです!
まとめ(+その他の故障原因について)
今回の記事では「三相モーターの配線間違いによって、モーターが逆回転することでポンプが水を吸わなくなる場合の復旧方法」について解説しました。
ですが、ポンプが水を吸わない原因はこれだけではありません。
例えば、
「そもそもポンプ自体が回らない場合(原因:軸の固着や電源がきていない?)」や「モーターの回転方向は合っているけども異音がする場合(原因:メカニカルシールが破損してる?)」など様々な場合がありますので、対処方法がわからない場合はポンプのメーカーに問い合わせるのが一番です!
この記事がポンプの復旧に少しでもお役に立てれば幸いです。