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「ぬか漬け」のブームが来ている?
「糠(ぬか)漬け」は日本の昔からの伝統的な発酵食品です。昔は漬けた野菜の保存性を高めるための「ぬか漬け」でしたが、今発酵食品ブームや腸内環境への関心の高まりによって再評価されて注目が集まっています!都内では主婦の奥様方のための「ぬか床作り講座」が人気で毎回満員になっているところも出てきている程です。
今回は自宅でのぬか漬け作りにチャレンジしていきます。
発酵についてまとめた記事はこちら↓
【発酵食品の基礎知識】「発酵と腐敗の違い」とは?
「ぬか漬け」とは?
ぬか漬けってなんで体にいいの?
ぬか漬けは「米ぬか」と「塩」を混ぜたぬか床で野菜を漬けます。ぬか床では「乳酸菌」と「酵母」が繁殖します。これらの菌は腸内の悪玉菌に働きかけて腸内環境を改善します。さらに。米ぬかに含まれているビタミンB群や、ミネラル、タンパク質が漬物の中に浸み込むため栄養も飛躍的アップします。特にビタミンB群は美肌&疲労回復に効果があると言われています。
ぬか漬けのぬか床はどうやって作るのか?
ぬか床は「米ぬか」と「塩」が基本の材料です。これを毎日朝と夕方混ぜて発酵させることで完成します。米ぬかを毎日混ぜるのは少し面倒と思われるかもしれませんがこれはぬか床の管理において必須の作業です。
ぬか床の中には「乳酸菌」、「酪酸菌」といった嫌気性細菌(酸素がないところで増える細菌)がいます。これらはうま味や風味を引き出す良い仕事をするのですが、増えすぎると悪さもします。例えば「乳酸菌」が増えると酸味が強くなりすぎ、「酪酸菌」が増えると悪臭を放ちます。
また、その他にも「産膜酵母」という好機性細菌(酸素が多いところで育つ細菌)はぬか床の表面で増えてとシンナーのようなにおいを出します。
これらのバランスを整えて、発酵独特の風味や酸味、うま味を絶妙なバランスで整えるためにも毎日ぬか床をかき混ぜなければならないのです。(詳しいぬか漬けの作成方法は下記に実際の方法を記載してます。)
いろいろな野菜の「ぬか漬け前の処理方法と漬け込み時間」
ぬか漬けではいろいろな野菜を漬けることができますが、野菜によって漬ける前の下処理の方法が違います。
下処理の方法は大きく分けて3種類あります。
(あくまで目安であるため、実際に漬ける際はお好みで調整お願い致します!)
①そのまま漬ける
「生で食べられる野菜」はそのままぬか漬けにして大丈夫です。
そのまま食べれる野菜は漬物の定番野菜になります。そのままぬか漬けにして食べる野菜の例としては下記の野菜があります。(これらの野菜は漬け時間の目安も記載しました。)
・にんじん(漬け時間6~7時間)
ヘタを切ったら縦に2つに切って漬ける。
・きゅうり(漬け時間3時間前後)
一本まるごと漬ければOK!
・大根(漬け時間6~7時間)
皮ごとお好みのサイズに切って漬ける。
・みょうが(漬け時間2~3時間)
そのまま漬けるか、縦半分に切ると早く仕上がります。
②塩でもんでから漬ける
アクが強かったり、水分が多い野菜は塩をまぶしてから漬けるとうまく漬けることができます。
・なす(漬け時間5~7時間)
色落ちしやすいためミョウバンをもみ込むか、錆びた釘(鉄製品)と一緒に漬けると色がキレイに漬かります。
・カブ
水分が多いため、しっかりと塩もみして水分をふき取ってから漬けるのがベスト!
・菜の花
柄組があるため塩もみするか茹でてから漬けた方が食べやすい。
③加熱が必要な野菜
生では食べることのできない野菜はコメのとぎ汁を加えた熱湯で茹でてから漬けると美味しいぬか漬けになります。
・ゴボウ
皮を取って一口サイズに切って、塩もみします。そして、熱湯で茹でた後に冷ましてからぬか床へいれます。
・ジャガイモ
皮を身いて茹でた後、水分をふき取りぬか床へいれます。
・かぼちゃ
皮ごと茹でるか、レンジで皮がやわらかくなるまで火を通した後、冷ましてからヌカ床に漬けます。
「ぬか漬け」の作り方(自作チャレンジ)
ぬか漬け作りにはぬか床作りに約2週間、その後に野菜を漬けることができます。
ぬか漬けの作成の工程をご紹介していきます。
ぬか床づくり(1日目)2019年3月31日
まずは「ぬか床」を作っていきます。
①ぬか漬け用の資材集め
ぬか床作成に必要な資材は下記の通りです。
・ぬか漬け専用容器
(オシャレで2重の蓋になっており、冷蔵庫保管もできるサイズで使いやすいです!)
・米ぬか(500g)
・武田信玄の義の塩(80g 普通の塩で大丈夫です。)
・ビール(100mL)
・鷹の爪(3g)
・捨て野菜(甘夏の皮0.5個分、ニンジンの皮1本分、たまねぎのヘタと外側1枚)
(↑写真:ぬか床作成の全材料はこちら)
②水を沸かして、塩を混ぜる。
水400mlと塩80gを鍋に入れて一度沸騰させて塩を溶かします。そして、しばらく置いて冷ましておきます。
(↑写真:塩と鍋)
③米ぬかと塩水を混ぜる。
まず、ぬか漬け専用容器に米ぬかを半分(250g)と②で作った塩水200mlを入れて混ぜ合わせます。
そして、混ざったら追加で残り半分の米ぬかと塩水を加えます。
(↑写真:ぬかを混ぜている様子)
④鷹の爪とビールを追加して混ぜる。
混ざったぬか床に鷹の爪(3g)とビール(100ml)と投入!!
(↑写真:鷹の爪を投入)
⑤捨て野菜を受け込んで完成!!
実際に食べる野菜を入れる前に最初は捨ててしまう野菜くずを漬け込みます。今回は甘夏の皮0.5個分、ニンジンの皮1本分、たまねぎのヘタと外側1枚をいれました。(少し量が多かった気もしましたが。。)この野菜は5日後には取り上げて新たな野菜を入れていきます。
(↑写真:ぬか床完成)
捨て野菜交換(5日目)2019年4月5日
捨て野菜を交換。ぬか床は冷蔵庫に保管して毎日朝と夕方にかき混ぜる作業を継続してきました。5日目のぬか床はほんのりぬか漬けっぽい香りがしますがまだまだ発酵が足りない感じです。1日目に捨て野菜にニンジンの皮を入れましたが、粉々になっており取り出すのがかなり面倒でした。。捨て野菜は大きめの野菜にすることをおすすめします!今回は甘夏の皮を代わりにいれていきました。
(↑写真:「捨て野菜を抜いた時」と「捨て野菜交換後」)
ぬか漬け作成(42日目)2019年5月12日
ぬか床が完成したため、ニンジンのぬか漬け作りにチャレンジしました!!
ぬか床は冷蔵庫保管でゆっくりと発酵させたため長い時間がかかりました。
(常温で管理をすると発酵はすぐに進みますが、毎日朝晩必ずかき混ぜないといけないです。しかし、冷蔵庫保管していれば4日~5日間長期出張に出ても大丈夫です。)
ニンジンの漬け方は簡単です。
ニンジン1本の皮をむいて漬けるだけです。今回は10時間漬けてみました。
(↑写真:漬ける前のニンジン)
(↑写真:漬けた後のニンジン)
(↑写真:カットして完成したニンジンのぬか漬け)
試食した結果、きちんとぬか漬けにはなってましたが少し漬けが甘かったです。
ニンジンを漬ける場合は、半分か1/4にカットしてから24時間くらい漬け込むとちょうどよさそうです!
まとめ
ぬか床の作成方法から実際にぬか漬けができるまでをご紹介しました。
ぬか漬け作りは毎日ぬか床をかき混ぜて育てていかなければなりませんが、一度作ってしまえばお好みの野菜を漬けめは簡単にぬか漬けを作ることができます。さらに、ぬか漬けは健康にも良いため、野菜不足の現代人にはピッタリです!
みなさんもぬか漬け習慣を始めてみてはいかがでしょうか?
参考書籍:
・栄養学の最高権威が教える賢い食べ方
女子栄養大学の発酵食のすべて
五明 紀春 監修 古川 知子 レシピ監修