【危ない!】鰻を「生」で食べてはいけない理由とは?

うなぎちゃん

生のうなぎには毒がある?

鰻(ウナギ)と言えば思いつく料理は「蒲焼き」です。
土用の丑の日は日本中がうなぎの蒲焼きで盛り上がる日になっています。
しかし、うなぎは蒲焼きが有名ですが刺身はみたことがありません。

なぜうなぎの刺身は販売されないのでしょうか?

それはうなぎの血にはイクシオトキシンという毒があるからです。
イクシオトキシンはアナゴの血にも含まれています。

この毒は神経毒で、食べると下痢や吐き気などの中毒症状を引き起こします

ですが「この毒は60℃以上で5分以上加熱すると消滅する」特性があります。
そのため生でなく、加熱した蒲焼きで食べる分には毒を気にせずに食べることができます。

血抜きをして血液を完全に取り除けばウナギを生で食べられないことはないのですが蒲焼きで食べる方が美味しく安全です。

うなぎの蒲焼きはなぜ美味しいのか?

やっぱり鰻と言えば「蒲焼き」です!なんでうなぎの蒲焼きは美味しいのでしょうか?

生のうなぎは毒があるだけでなく、味がなく、匂いもなく、色も悪く、極めて硬くて美味しくありません。ウナギの肉は魚の中でも最も硬い部類に入り、ゴムのような硬さがあるのですがこれは身の中の「コラーゲン」が多いためです。
コラーゲンは動物の皮膚や腱、軟骨といった硬い部分に多く含まれています。
通常は硬いコラーゲンですが、加熱調理をすると水溶性の「ゼラチン」に変化して、肉がやわらかくなります。
蒲焼きはこのコラーゲンの性質を利用して何度も加熱調理することで、ふっくらとやわらかい食感を作っていきます。

さらに、肉質をやわらかくするだけでなく「タレ」も重要な要素です。蒲焼きの「タレ」は一般的には醤油と味醂を同量加えたものを使います。生のタレは醤油の味と塩気が勝っているのですが、蒲焼きはタレをつけて何度も何度も繰り返し焼くことで醤油臭さが消えて、蒲焼き特有の香ばしさに変わります。

蒲焼きという調理法により、「ふっくらとやわらかくなった身」に「タレの香ばしい香り」をまとうことで最高に美味しくなるのです!!

蒲焼きの栄養価について

夏場バテ防止にはウナギの蒲焼きを食べるとよい」と言われます。確かにうなぎの蒲焼きのにおいを嗅ぐと食欲がわいてきます。また、うなぎのかば焼きの成分を科学的に見ても栄養かが高く、夏バテ解消に効果がある成分が多く含まれていることがわかります。下記に特徴的な蒲焼きの有効成分をまとめました。

有効成分 効能 蒲焼きの含有量の多さ
ビタミンB1 疲労回復効果。
不足すると脚気になる。
1串(約100g)で成人の必要量の7割が含まれる。
ビタミンA 目の網膜の健康維持。
視覚の正常化。
目に必要なビタミン。
1串(100g)で成人の必要量の3日分に相当する量が含まれている。これは卵の10倍、チーズの5倍に匹敵する。
ビタミンE 抗酸化作用。
血行改善。
生殖機能の維持に
必要なビタミン。
1串(約100g)で成人の必要量の8割が含まれる。
不飽和脂肪酸
(DHA,EPA)
血管の健康維持。
血液凝固防止。
心筋梗塞の予防。
血中の中性脂肪を下げる働きもあり。
不飽和脂肪酸は青魚に多く含まれています。
ウナギは青魚の代表格であるサンマと同等量が含まれています。

 

まとめ

今回はうなぎの食品としての特性についてご紹介いたしました。
日本人は栄養価が高く、味も抜群のうなぎが大好物です。しかし、近年はうなぎの天然資源の枯渇問題も顕著に出てきています。うなぎの完全養殖への実用化はまだ先になりそうであるため、今後うなぎが食べれなくなるのではないか少し心配です。これから急ピッチでうなぎの種苗生産技術と養殖技術を高めて、持続可能が食料資源としてうなぎは食べ続けていきたいものです。

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