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「ガスケット」と「パッキン」の違いとは?
「パッキン」は普段の生活でもよく使うことがありますが、「ガスケット」はあまり使うことはありません。
同じような役割りをしていますが、この2つの部品には違いがあります。
今回の記事では「ガスケット」と「パッキン」の違いをわかりやすく解説していきます。
【結論】「ガスケット」と「パッキン」の違いは何なのか?
まず、先に結論から言ってしまうと、
~結論~
「ガスケット」= 止まってるとこで使われる。
「パッキン」= 動いて擦れる(こすれる)ところで使われる。
となります。
そのため、「Oリング」はどちらのパターンもあるため用途によって分類されます。
(現場でOリングのことはパッキンと言ってしまいがちですが。。)
下記は「ガスケット」と「パッキン」の両方使われているバルブ(玉形弁)の例です。
↑イメージ:「ガスケット」と「パッキン」を同時に使用している例。
結論は言ってしまいましたが、もう少しそれぞれについて詳しく解説していきます。
【詳しく説明】「ガスケット」とは?
【定義】ガスケットってどんな部品?
「ガスケット」とは
フランジ等の合わせ面間の気密を保つために使われるシール材です。
そのため、ガスケットは動かずにじっとしている部品です。
↑写真:フランジ用の「ガスケット」
ホームセンターで「フランジの間にはさむ部品はどこですか?」といえば通じます。
ですが、これを知っていれば「ガスケットはどこに売ってますか?」とスマートに聞くことができます!
【材質】ガスケットの種類は?
ガスケットは使用する場所に合わせて下記の6種類から選定します。
~ガスケットの種類~
・ゴム製品(天然ゴム or 合成ゴム)
特徴:弾性があり、薬品に侵されにくい。
・植物性繊維製品(皮質繊維 or 木質繊維)
特徴:耐油性はあるが、耐熱性が低い。
・動物性繊維製品(皮 or フェルト)
特徴:皮は機械的性質に優れているがアルカリに溶け、耐薬品性に劣る。
・鉱物性繊維製品(ガラス背に、けい石など)
特徴:耐熱度は高いが脆弱。
・合成樹脂製品(テフロン)
特徴:ほとんどの薬品や油に侵されず、熱にも強いし、絶縁性もある。
・金属製品
特徴:高温高圧に強い。
↑この中から用途に合わせて材質とサイズを選びます。
【使い方】と【注意点】ガスケット取付けのポイント
ガスケットをフランジに装着する際、下記の項目に注意が必要です。
~取付の注意点~
・相対するフランジがキチンと並行になっているか?
・フランジの芯がズレていないか?
・フランジがサビや傷はないか?
・サイズはあっているか?
・ボルトとナットの材質とサイズはあっているか?
・ボルトの締付けは均一になっているか?
※ボルトの取付方法は↓こちらの記事で詳しく解説しています。
【順番が重要】ボルト・ナットの正しい締付け方法とは?
【詳しく説明】「パッキン」とは?
「パッキン」とは
ポンプの軸の回転部分等の運動部分の緊密を保つために使われるシール材です。
そのため、パッキンは動いたり・擦れたりする部品です。
↑写真:一般的な「パッキン」
パッキンは水道の蛇口など、身近なところでたくさん使われています。
そのため、ガスケットよりも圧倒的によく耳にする部品です。
【材質】パッキンの種類は?
パッキンにも材質が5種類あります。
~パッキンの種類~
・網組パッキン
特徴:全体が編み込まれた構造をしている。一般的によく使われる。
・プラスチックパッキン
特徴:網組パッキンより変形しやすい。
・メタリックパッキン
特徴:耐熱性に優れている。
・組み合わせパッキン
特徴:プラスチックとメタリックのパッキンを組み合わせたもの。
・Vパッキン(モールドパッキン)
特徴:断面がV字型のパッキン
↑パッキンもガスケット同様にこの中から用途にあった種類・サイズを選定します。