目次
なぜ「LEDライト」を作るのか?(目的)
1.今の時代は電子工作の技術がないと損をする。
今、様々な分野でAIやIOTを活用することによって、仕事の効率化や最適化を進めていく取り組みが活発に行われています。そして、これから私たちのより身近なところでもこれらのテクノロジーを使用する機会は間違いなく増えていきます。
そんな時代にコンピューターや電子工作についての技術を知らないと大きな損をしてしまいます。特に電子工作の技術を持っていると、いつもの生活をより便利にすることができます。自分で工作物を自作できれば、必要なモノを安価な材料にカスタマイズして作れるようになります。
しかし、電子工作は初学者にとっては難しく感じるため拒絶反応の出る分野です。
こちらの連載では実際に初学者でも役に立つモノを実際に作りながら、電子工作について学んでいけるようなテーマを選んでご紹介していきます。
2.LEDライトを選んだ理由
LEDは日常生活でよく使われており、光で結果が確認できるため電子工作の基礎を学ぶのに最適です。LEDライトは低消費電力で長寿命という特徴があります。そんなLEDライトを自由に使いこなせれば、自分に用途に合わせたオリジナル照明を作れる実用性もあります!
LED照明の「材料」
①使用する「材料」について
今回は車のUSBコネクタに繋げて使える、青色のLEDライトを作成してきます。
車にUSBコネクタがない場合はシガーソケットを利用すれば使えるようになります。
LEDライトの材料は下記の通りです。
(材料はアマゾンと100円ショップで購入。)
(↑写真:材料をすべて並べた写真)
USBケーブル(電源用)
USBケーブル × 1本
~購入先~
100円ショップ(ダイソー)で購入。
コードの長さは1mです。
端子は片側が「USB端子」でもう片側が「microB端子」のモノを使用。
青色LED
青色のLED × 4個
(LEDは足が長い方が⊕です)
ブレッドボード(配材)
小さいブレットボート × 1枚
抵抗器
330Ωの抵抗器 × 3個
(抵抗器の選定方法は後で説明しています。)
ブレッドボード用のケーブル
ブレッドボード用のケーブル × 4本
※参考:資材の購入方法
今回の材料はUSBケーブル以外は下記のIOTスタートセットを購入し、その中に入っていたものを使用しています。初心者用にいろいろな電子パーツがケース入ったセットになっているためとても便利です。
これをベースに追加で必要なものを買いたしていくのがオススメです。
②「抵抗器」の選び方
材料の抵抗器の抵抗は「330Ω」のモノを使用しました。
しかし、抵抗には様々な種類があります。
そのため、使用するLEDの容量に合わせて適正な抵抗器を選定して取り付ける必要があります。(LEDに流す電流は抵抗によって制限しないと必ず壊れてしまいます。)
抵抗器の選定は下記の数式で求めることができます。
電流制限抵抗値(Ω)=
(電源電圧(V) – LED順方向降下電圧(V)) ÷ LEDに流したい電流値(A)
「電流制限抵抗(Ω)」は選定したい抵抗器の抵抗値です。
「電源電圧(V)」は電源の電圧です。
USB充電器の定格出力電圧(ボルト)は通常5Vです。
「LED順方向降下電圧(V)」はLEDのデータシートに記載されている順方向電圧降下VF(DC Forward Voltage)の数値を使用します。
今回使用する青色のLEDはデータシートがなかったため、順方向降下電圧(V)は3Vで計算しました。
「LEDに流したい電流値」はデータシートに記載されている数値を参考に設定します。
通常はデータシートのDC Forward Current (IF)欄に記載されております。
(今回はこらもデータシートがないため一般的な数値である30mAで考えました。)
この電流値はLEDが壊れる最大定格の値です。
そのため、記載されている電流値が30mAの場合は、余裕を持って5mA~15mA程度になるように設定します。
(今回の電流値は10mAで設定。)
以上より、今回取り付ける抵抗器の「電流制限抵抗値(Ω)」の計算方法は
~計算式~
(5V – 2V) ÷ 0.01 A = 300Ω
となります。
(今回はピッタリ300Ωの抵抗が手元になかったため330Ωの抵抗を使用しました。)
組み立て方法
①USBケーブルの加工
USBケーブルはUSB端子はそのまま残して、microB端子の方を加工してきます。
加工は端子を切り落として、外側のカバーを7cm程度むきます。
そして、中の細い線は先端の1cm程度カバーをむけばOKです。
(※今回の配線は黒が⊕で白が⊖でした。)
(↑写真:加工済みUSB配線)
②ブレッドボードに各バーツの取り付け
ブレッドボードに材料を取り付けていきます。
下記の図のように配線をイメージして取り付けやすい場所に材料を配置していきました。
(↑図:配線のイメージ)
そして、実際に配線した完成したLEDライトはこちら↓
(↑写真:完成した自作LEDライト)
テスト運転(ライト点灯)
③ライト点灯☆
実際にライトを点灯させるとこんな感じになりました。
(↑写真:点灯したLEDライト)
補足知識
「LED」の順方向電圧降下とは?
LEDは発光ダイオードと言われるダイオードの一種です。
ダイオードは「電圧をかけてもすぐには電流が流れない」という特性があります。
ダイオードに電流を流すために必要な電圧が順方向電圧降下(Vf)で、この電圧を上回ると電流が流れます。
そのため、上記の抵抗値を求める際には電源の電圧から順方向電圧降下(Vf)を引いて計算をしました。(ダイオードによって電源の電圧が下がるため、この電圧のことを「順方向電圧降下」と呼んでいます。)
※LEDの順方向電圧について
LEDの順方向電圧のざっくりした数値下記のような値になります。
赤色、緑色、黄色のLED = 2V程度。
青色、白色のLED = 3V程度。
まとめ
電子工作の作品第1号の「自作LEDライト」が無事に完成しました☆
やはり、実際に自分で作ることによって、電子工作の理解がドンドン深まっていきます。
何より、自分で作ったライトが点灯した時の「喜び」と「達成感」がスゴイです!!
(完全に自己満足ですが!)
今回のLEDライトは愛車のN-BOXに飾って使っていきます!
(電源はシガーソケットから供給できるのでピッタリ!!)
今後も第2弾、第3弾と電子工作やIOTの作品をたくさん作って知識と完成度を高めます。
そして、最終的には農業・養殖の現場で役に立つ製品を作っていきます!
~参考書籍~
・楽しく工作をしながら電気の基礎をしっかり習得
電子工作の職人技 高瀬 和則 著 技術評論社