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「米中関税合戦」とは?
トランプ大統領の米政権が中国からの輸入品のほぼすべてに高い関税(25%)をかけようとしています。
この関税は「制裁関税」と言われています。
アメリカ側が制裁関税を実施する理由は下記ような提案(要求)を中国にやってもらうためです。
~アメリカが制裁関税をする理由~
・資本移動の自由化
(他の国が資本を自国に持ち出しすることを可能にしろ!)
・知的財産権の保護
(中国が知的財産権の侵害を続けているのをやめろ!)
・為替の自由化
(為替はマーケットに任せろ!)
などがあります!
(これだけではありませんが。。。)
中国側がこれらの要望に全然対応しないため、アメリカが怒って強制関税を実施しようとしています!
(これまでもアメリカは中国に関税はかけてきましたが第4弾となる今回の関税は品目も金額も多く影響大です!)
なぜ、そんなにアメリカは強硬姿勢で制裁関税を実施するのか?
中国は今まで自分たちの国が都合のいいようにやってきた経緯があります。
中国という国は共産党が1強の開発独裁国家です。
発展途上の国としてやりたい放題やって国力を伸ばしてきています。
特にひどいのが「知的財産権の侵害」と「外国に資本の持ち出しができない」という2つの合わせ技です。。
これはアメリカだけの問題ではなく、日本も大きな被害を被っています。
例えば、多くの日本企業も中国に進出していきました。
日本企業が多額の投資を行い、現地に工場を作って、技術提供をして製造を始めます。
ここまでは問題ありません。
しかし、すぐに中国は技術を(違法に)すべてパクッて、同じようなモノを作る国営の新しい会社を作ります。バックった技術を勝手に使って、安価で大量生産をするようになるのです。こうなると、中国で日本の企業はビジネスができなくなります。結果的に中国が日本企業を潰してしまうのです。
もし、そのような状況でも日本企業が頑張って儲かったとします。
しかし、儲かったお金は日本企業は国外に資金を持ち出すことができず、中国に再投資しなければなりません。
中国にビジネス展開して儲かった日本企業を聞いたことがあるでしょうか?
このように、現在の中国は日本やアメリカと違い全然フェアな戦いをしていないのです。
約束を守らずに多くの富を得てきた中国はこれからもこの有利な立場を維持していこうとしています。しかし、これは確実に阻止しなければなりません。
だから、今アメリカはなんとしても要望を通すために手加減なく関税をかけようとしているのです。
この問題に対してアメリカは本気です!
今しか中国の方向性を変えるチャンスはないと考えているのです!
(これ以上中国が大きくなった後では誰も阻止できず手遅れになります。)
これによって、日本への影響はあるのか?
アメリカは中国に対してIT製品も含めて、高い関税をかけようとしています。
今回の第4段の制裁が決まれば、スマートフォンやパソコン、デジカメといった電子製品も対象となります。
もし、この関税が発動されれば中国からアメリカへこれらの製品が非常に売りにくくなります。(特にアップルのiPhoneなどの製品の動向が注目されています。)
中国は世界の工場とも呼ばれ、こういった電子製品の世界の生産拠点です。
特に日本は中国に対して、高度な技術で作った部品を販売し、利益を得ています。
例えば、日本から輸出されるスマホの部品のうち41.1%は中国に販売しているのです。
中国からアメリカへの販売が関税によって失速すれば日本の部品メーカーも影響は大きいです。
しかし、今の中国は放置することはできません。中国もフェアな戦いをするべき時がきているのです。
このままでは、日本企業がパクられて潰されてを延々と繰り返し続けていくことになります。
多少の混乱があっても日本もアメリカと一緒の方針で対応していかなければなりません!
日本も交渉力を持たなければならない!
中国の問題は大きく注目を集めていますが、アメリカは中国だけでなく欧州連合(EU)やメキシコなどにも高関税をかけようともしています。
日本も例外ではありません!
日本の代表的な輸出産業である自動車などに高関税をかけられたらどうなってしまうのでしょうか?
輸出産業は大ダメージを受けます!(ただでさえトヨタは終身雇用制度のギブアップ宣言をしたばかりだというのに。。。)
もし現時点で、日本の輸出と輸入がストップして鎖国状態になったら非常に危険な状態になります。
外貨は稼げず、エネルギーも食料もなくなります。経済危機に陥って国民が餓死寸前までになったキューバ状態になります。むしろ、化石燃料や化学肥料に頼り切ってる分、もっと日本はもっとヤバいことになります。
(※キューバ状態はこちら)
こうなってしまえば、自動車では物理的にも食べれませんし、外貨を稼いで食べていくこともできないのです。。。
そんな日本が今後の交渉力を持つためにはどうればいいのか?
中国やアメリカに対して「強い交渉力」を持つのは簡単なことではありません。
ここからは1次産業に関わる者としての考えになりますが、自国で食料もエネルギーも循環させられれば他国への依存度が格段に下がるのではないでしょうか?
自国で資源を循環させるシステムを作ってしまえば、アメリカのような関税圧力に対して高い交渉力を持てるのです。
「もし鎖国させられたって、日本人は平和にくらしていけるんだぜ!!」くらいのことが言えればいいのです。
これを実現する上で、日本はある意味有利な下記のような条件が揃っています。
~日本人が有利な条件~
・人口が減少している。
(人口減少により、食料の必要量が減るだけでなく、農地の集約化や機械化といった効率化もしやすい。)
・もともと作物が育ちやすい気候や国土である。
(日本では米だけでなく、果実や野菜も育てやすい!)
・マジメな気質と最新の技術力を持っている人が余る。
(AIなどの技術が進むと必要のないオフィスワークをしている人達がたくさんでてくる。無駄なオフィスワークやめませんか?)
・DNAに刻まれた農耕民族気質。
(江戸時代200年近く、鎖国した経験もあり!!)
こんな日本の強みを生かして、食料やエネルギーを自給できるようになることが今後日本が外国との強い交渉力を持つための1つの方法であるのではないでしょうか?
参考書籍
・日本経済新聞(2019年5月15日)
・新潟日報(2019年5月15日)