「1本5000円のレンコンがバカ売れする」って本当か!?

なぜ、1本5000円のレンコンがバカ売れするのか?

本屋さんでオススメの新書コーナーを見に行ったら、ひと際目の引く表紙の新刊を発見しました。

タイトルは「1本5000円のレンコンがバカ売れする理由」です。

なに!?レンコンが1本5000円で売れるだと!?
さらに、このレンコンはイメージのあんまり良くない茨城県産です。。
このタイトルが本当か確認するために、即効で購入して読んでみました。

今回は「1本5000円のレンコンは本当に売れるのか?」についてレビューしていきます。

なぜ、こんなにも高値でレンコンが売れるのか?

レンコンの標準単価は1本あたり約1000円程度です。
そのため、1本5000円は通常価格の5倍程度になります。
そんな価格のレンコンがデパートや、小売りチェーンのカタログギフトや国内の超高級料理店だけでなく、ニューヨークやパリなどの海外でも人気の食材として使われているとのことです。
なぜ、そんな高価格でレンコンを売ることができるのか?
この本にはその理由がか書かれていますが。。

やはり、そう簡単には売れるようになっていませんでした

普通の農家の考える高値での販売方法とは?

普通の農家で高単価で販売しようと時に付加価値戦略として「農産物の直売所」「有機農業」の2種類が考えられます。
著者は現状ではこの2つの方法は下記の理由で厳しくなっていると説明しています。

農産物の直売所
農産物直売所のシステムができたばかりの頃は農業者が作りたい作物を作って、売りたい価格で直接販売することができました。中間流通(卸やJA)を通さないため、生産者が多くの利益を取れる理想的な仕組みでした。(この時は朝市や畑の一角を利用した有人・無人販売などの小規模かつ多様な形の販売形態がとられていました。)
しかし、現状は常設の農産物直売所が建設されてよって多くのお客さんは来るようになったものの、大手のスーパーマーケットや他の道の駅との競合が激しくなり価格競争が激化しています。
そのため、農家が売りたい価格で利益を取って売ることができなくなってきています。

有機農業
有機農業で農作物を作るとなると、手間やコストはメチャクチャかかります。それなのに、現状はオーガニック野菜というだけではコストに見合う付加価値は出なくなっています。その理由の一つは、日本の農作物がすべて中途半端に安全だという信仰があるからであるためです。(そもそも、日本はアメリカのようにオーガニックと通常の野菜を買いわけるこのともできません。)

どうやってレンコンを高単価で売れるようになったのか?

結論としては両親や先祖が苦労して育てたレンコンを「安売りせずに、ブランディングして販売したため」です。

レンコンの価格の背景としては時代の流れが大きく関わっています。
もともとレンコンは高級食材であったのですが、1970年の米の減反政策によってコメ農家がコメを作ることができなくなり、レンコン農家へと転換してきます。茨城県は日本で1位のレンコン生産地ですが、1960年に310ヘクタールであった生産面積が1980年には1900ヘクタールにまで急増しています。さらに、生産技術も向上して生産量がどんどん上がっていきました。
このように生産量が増えてレンコン栽培が大衆化することで、安い価格で取引されるようになりました
そうなると、せっかく作ったレンコンを市場に出しても価格がつかない状態になってきます。。。

そんな状況の中、著者は「国内で1本5000円でレンコンを売る方法」を考えて実践しています。

レンコンの「ブランド化」の方法とは?

「ブランド化」をするための方法は高級ブランドのエルメスの例をあげて説明されています。

例えば、エルメスのバーキン(バック)は牛の皮に付加価値をつけて300万円で売っています。
エルメスのバックであっても機能性だけ(使用価値)だけだったら、安売りされているバックと変わりません。
大きさや機能だけでモノの価値は決まらないのです。

農作物で言えばイチゴはブランド化して販売されているものもあります。
しかし、「糖度が15度以上」や「ビタミンCが通常の何倍」などの機能がないとブランドを名乗れません。
これは品質証明に頼っているため、明確な理由がないと付加価値をつけれません。。

そこで、エルメスをマネしてレンコンをブランド化できる方法はないのか?
エルメスのブランドの強みはなにか?
その時にエルメスのブランド価値は「歴史」にあることに気が付きます!

そして、「歴史」が付加価値になるのであれば、レンコンにも歴史はあるじゃん!?
という発想から「大正15年創業のブランドレンコン」として売り出そうとします。

しかし、ブランド化を決めても当初はなかなか売れなかったそうです。。。

レンコンが高く売れるまでの長く険しい道のりは本の中に詳しく書かれていますが、ブランド化するために下記のような地道にトライ&エラーを繰り返してきています。

・ブランド化するためのオシャレなパッケージ作り(化粧箱入り)
・パッケージのデザインや展示会への出店
・営業パンフレットやPOPの作成
・テレビ出演やトークショー
・SNS(フェイスブックやホームページの活用)などなど。

その中での人の出会いを通して、大手食品商社との契約、高級レストランの販路拡大や海外輸出までするようになって今では1本5000円のレンコンがバカ売れするようになっているそうです。
(売ってるのは5000円のレンコンだけではなく通常の商品もあります。)

まとめ

本屋でタイトルにひかれて手に取った本ですが、農業に情熱をもって取り組む姿勢には刺激を受けました。
さらに、著者は民俗学の研究者と農業者という2つの顔を持っており、学者とリアルな農業ビジネスマンとしての2つの視点からみた農業考察はとても参考になります。
これから、新規で就農したいと考えている方には必見の一冊です!

~参考書籍~
・1本5000円のレンコンがバカ売れする理由 野口 憲一 著

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